どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【角換わり早繰り銀の対処法】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) October 18, 2024
相手が☖75歩と仕掛けたところ。こちらは6四の銀を簡単に捌かせないことが大事です。… pic.twitter.com/2qBSWcAJCb
先手番で角換わりを採用すると、ときおり早繰り銀をぶつけられるケースもありますね。これは少数派の作戦なのですが、ゆえに対策が疎かになっているプレイヤーは少なくないのではないでしょうか?
そこで今回は、角換わり早繰り銀の対処法をテーマにして、解説を進めたいと思います。
自陣角を軸に迎撃する
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☖7五歩と指し、先攻したところです。
後手の早繰り銀に対する対抗策は複数ありますが、基本的に先手は腰掛け銀で対抗することを考えたいですね。また、上図のように[☗5六銀・☗6六歩型]を作っておくことが大切です。この配置に構えておけば、少なくとも大崩れすることはありません。
さて、この仕掛けにどう応対するかですが、大前提として相手の銀を安直に進ませる進行は避けるようにしましょう。つまり、上図から☗7五同歩☖同銀という進行では、不本意というわけです。
ゆえに、上図では☗6七銀と引いて、銀矢倉の構えを作っておくのは一案です。この場合、後手は☖4四歩で陣形整備を進めてくることが予想されます。
これはこれで難しい将棋なのですが、結論から述べると、先手は条件の悪い進行を選んでいます。
こうして銀矢倉に構えて早繰り銀を受け止めるのも頻出の手法ではあるのですが、上図のような[☗3六歩・☗4八金型]の配置は、銀矢倉とあまり相性が良くありません。例えば後手には☖7六歩☗同銀右☖7四歩と進め、次に☖7五銀から銀をぶつける攻め筋があります。銀交換になると割り打ちの隙が気になるので、☗4八金型が祟りやすいのです。ちなみに、☗5八金型であれば、銀矢倉は有力ではあります。
こうした背景があるので、冒頭の局面から☗6七銀は得策ではありません。先手としては、[☗3六歩・☗4八金型]の配置を活かした指し方を選びたいですね。
[☗3六歩・☗4八金型]のメリットとしては、右桂の活用が行いやすいことが挙げられます。したがって、それが実現できる構想を模索しましょう。
手始めに、☗6五歩と突きます。後手は☖7六歩☗同銀☖7三銀と進めるのが妥当ですが、そこで☗7七角と自陣角を放つのが、攻防兼備の一着になります。
これは8筋の歩交換を防ぎつつ、右辺を攻めることを見据えています。ここから先手は、果敢に攻め合いを挑む方針で戦うことになります。
後手は7三の銀が遊んだままだと作戦の趣旨に沿わないので☖8四銀と活用しますが、こちらも☗3七桂で攻め駒を活用します。
後手は8四の銀をさらに進軍させたいので、上図では☖7二飛☗6七銀左☖7五銀と指すのが自然です。ただ、ここで先手は手番が回ってくるので、満を持して反撃に出ます。
具体的には、☗2四歩☖同歩☗2五歩で継ぎ歩を使うのが厳しいですね。
これを☖同歩だと、☗同桂☖2二銀☗1三桂成☖同香☗2二角成で技が決まります。よって後手はこの歩が取れないのですが、そうなると2筋を詰めることが出来るので、先手は大きくポイントを稼ぐことが出来ます。玉型の広さに著しい差が生じることが大きいですね。上図は先手のカウンターが成功しているので、先手が上手く立ち回った将棋となります。
こうした進行を見ると、7七に打った自陣角と右桂の活用は、高いシナジーがあることが読み取れますね。
このように、角換わり早繰り銀には☗6五歩で相手の銀を追い返し、その後に自陣角を放って迎撃するのが有力な構想になります。こちらは桂を使ったスピーディーな攻めが実行できるので、結果的に相手よりも早く敵陣を攻撃することが可能となります。この構想は多少の配置の違いに関わらず採用することが出来るので、角換わりを指すプレイヤーは、ぜひお試しください。
玉の位置も隠れたポイント
ちなみに、この☗6五歩~☗7七角の構想を用いる上では、もう一つ意識しておいたほうが良い点があります。
それは、自玉の位置ですね。
前述したように、この自陣角の構想は将来、2・3筋を攻めることを念頭に置いています。また、相手は早繰り銀で攻めてくるので、7・8筋が戦場になることは言うまでもありません。つまり、その付近に玉が居ると、必然的に危険度も上がってしまう懸念があります。
そうした背景を踏まえると、先手は居玉が相当に都合の良いポジションになっていることが読み取れます。ここだと2・3筋にも7・8筋にも距離があるので、安定感が高いというわけです。
裏を返せば、自玉が3筋や7筋に居る場合は、この構想は避けたほうが良いことも読み取れます。この要素も意識しておくと、自陣角の使いどころが、より分かりやすくなるでしょう。
また、こうした知っておくと役立つ将棋の知識やテクニックは、私のブログや note にもふんだんに記載しております。こちらもご覧いただけますと幸いです。
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