どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【左美濃急戦の必修手筋】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) October 14, 2025
こちらは攻撃態勢が整っており、直ちに☖75歩☗同歩☖65歩と仕掛けるのも有力です。ただ、現状では囲いが少し薄いので、☖33歩と打っておくのも大いに有力ですね。… pic.twitter.com/irYmYy1EPk
将棋は攻勢に出る展開になると、気分がよいですね。ただ、知らず知らずのうちに自分の攻めが急所を外してしまい、芳しくない状況になってしまったという経験がある方は多いのではないでしょうか? 今回は、そうした状況を防ぐための考え方を解説したいと思います。
攻め駒が前進できるよう、道を作っておく
今回は、上記ツイートの最終図を少し進めた局面から解説を行います。図は相手が☖4五同歩と指し、こちらの歩を取ったところです。

この局面は、こちらは飛角銀桂の四枚で攻める形になっており、玉型も安定しています。一方的に攻め込める状況なので勝ちやすい将棋ですが、肝心の攻めが繋がらないと、決定的なリードを奪えません。その具体案を見出すことが、こちらの命題ですね。
上図では攻めの手段が複数あり、例えば☗4五銀は一案です。もし☖同桂なら☗同桂から☗3三歩が厳しいので、攻めが繋がりますね。
ただ、☗4五銀には、じっと☖4四歩と受けられる手が厄介ではあります。

こうなると銀が前に進めませんし、☗3四歩と打っても☖4五桂で無効です。上図では☗5六銀と引くのが無難ですが、これだと攻めがヒットしないので、芳しくない進行と言えるでしょう。
上記のように、攻め駒が前進できない状態になってしまうと、敵陣へ近づけないので攻めが繋がりません。攻めを繋ぐ際には、進めた駒が後退しない展開に持ち込むことが絶対です。
こうした背景があるので、冒頭の局面では、少し攻め方に工夫が必要です。具体的には、☗2四歩☖同歩の利かしを入れてから☗4五桂と跳ぶのが良いですね。

これには☖同桂が妥当ですが、☗2二角成☖同金☗4五銀で、角を捌きながら銀を進めます。問題は、そこで☖4四歩と打たれたときですね。
そこで銀を下がってしまうと、攻めが頓挫するので得策ではありません。☖4四歩に対しては、銀を逃げずに☗2四飛と走ります。これを指すために、[☗2四歩☖同歩]の利かしを入れておいたのです。

後手は金取りを防ぐために、☖2三歩と打つのが自然です。その局面は飛と銀が当たりになっており忙しいですが、こちらはとにかく攻め駒を前進させましょう。そこから☗3四銀☖2四歩☗4三銀成☖同金☗6三角と進めれば、攻めがクリーンヒットすることになります。

上図では☖5二飛と受けるのが最も被害が少ないですが、☗6一銀と迫れば角を渡すことなく飛車が取れるので、攻めが十分に繋がります。上図は玉型の差が甚だしいことが大きく、先手が優勢と言えるでしょう。
こうして一連の進行を見ると、こちらは☗2四歩の利かしを入れて攻め駒を進めやすくしたことで、綺麗に攻めが繋がったことが読み取れます。

敵陣を攻める際には、当然ながら攻め駒を前進させることが必須です。しかし、相手もそれを防ぐために守備隊形を作るので、フリーパスで攻め駒が進めることは、まずありません。
したがって、攻め側は自分の駒が前に進めるよう、進軍ルートを作る工夫が必要です。特に、こうした「合わせの歩」は進軍ルートを作る際に重宝する手筋なので、攻めを繋ぐ際には意識して頂ければ幸いです。
利かしが必ず通るなら、順番が違っても良い

ちなみに、この冒頭の局面では、直ちに☗4五桂と跳ねる手も有力です。これも後手は☖同桂☗2二角成☖同金☗4五銀☖4四歩と応じるのが妥当ですが、そこで☗2四歩と打てば、攻めが繋がる形となります。

銀を取られたら☗2三歩成で2筋を突破できますし、☖2四同歩なら☗同飛から先述した順に合流できます。しかし、後手は他に手段もないので、適切な受けがありません。
今回の題材は、とにかく[☗2四歩☖同歩]の利かしを入れて、飛車をいつでも2四へ進める道を作っておくことが急所です。そこに飛車が進めれば、4五に出た銀が3四へ進めるので、攻めが繋がるというわけですね。
このように、攻めを繋ぐ上で必要な利かしが必ず入るのであれば、多少、順番が変わってしまっても問題ありません。こうした性質を知っておくと、敵陣を攻める際に役立つこともあるかと思います。
また、こうした攻めを繋ぐ際に心掛けたことが良いことは、他にもあります。よろしければ、以下の記事も併せてご覧いただけますと幸いです。
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