どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【立石流を攻略する構想】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) March 16, 2026
相手は次に☗66飛→☗76飛と進めて、石田流の構えを作ろうとしています。こちらはそれを牽制する策が必要です。具体的には、☖42角と打ちましょう。… pic.twitter.com/Y22RwBPqpz
立石流という戦法は、完成すれば主導権が握れるので居飛車は漫然と駒組みを行うと、不本意な将棋になってしまうことが多々あります。そのため、この戦法を相手にしたときには、なるべく敵に攻めの形を作らせないことが攻略の鍵となります。今回は、それを実現する構想をテーマにして、解説したいと思います。
相手の歩を刈り取る
今回は、上記ツイートの少し手前の局面から解説します。図は振り飛車が☗7八金と指し、8筋の守りを固めたところです。

立石流は、四間飛車ながら金を7八に据えるのが特徴の一つです。また、早い段階で6・7筋に二つ位を取るのも、この戦法の骨子となる部分です。将来的には☗6六飛→☗7六飛という要領で、升田式石田流のような配置を作ることが目的の一つになります。
さて、こちらはどう駒組みを進めるかですが、まずは自然に8筋の歩を交換しておきましょう。以降は下図のように組んでおきます。

ある程度、手数を進めましたが、この局面に至るまでの要点としては、
①飛車の引き場所は8四
②角道を止めない
③自ら角交換しない
④5筋の歩を突いておく
この四点になります。
なお、☖9四歩は優先度は高くないですが、何かの際に☖9三桂と跳ねる含みを作っているので、損になる可能性は極めて低い一着です。相手が角交換を行うまでは、ここで様子を見ておくのが良いでしょう。

さて、相手は角を交換して、飛車を7六へ運ぶ準備を進めてきました。もし、こちらが漫然と駒組みを進めると、振り飛車は下図のような配置を作ってきます。

こうした状況になると、次に☗8六歩→☗7七桂で8筋を圧迫する狙いが生じるので、振り飛車は手に困らなくなります。立石流は無事にこの位置へ飛車を配置できれば満足であり、居飛車はこうした展開を許したくはありません。
そのため、居飛車は☗8八銀と指された局面で、何らかのアクションを起こす必要があります。具体的には☖4二角と打つのが面白いですね。

何だか不思議な場所に角を設置していますが、これが振り飛車の構想を瓦解させる一着です。狙いはシンプルに、7五の歩を取ってしまうこと。そして、それが対立石流において非常に大きな意味を持つのです。
上図で振り飛車が歩を守るには、☗6六角と打つよりありません。しかし、ここに角を打ってしまうと飛車が浮けなくなるので、攻めの形が作れなくなります。ゆえに、7五の歩を守るのは現実的ではありません。

よって、上図では☗6六飛と浮くほうが自然です。以下☖7五角☗5六飛と進めて浮き飛車に構えるほうが、振り飛車は大駒の配置が軽いですね。
ただ、居飛車は自然に☖3三銀で囲いを充実させれば問題ありません。

振り飛車は飛車を7六に移動したいですが、直ちに飛車を動かすと5七の地点がお留守です。よって、一回は☗6八金で整備する必要があります。
対して、居飛車は☖4四銀と上がって飛車を圧迫しておきましょう。以下、☗7七桂☖3三桂☗7六飛☖5三角が進行の一例ですが、居飛車は満足のいく態勢を作れています。

振り飛車は念願の☗7六飛型を実現しましたが、今度は☗8六歩と伸ばすことが出来ません。また、7筋の歩を刈り取られているので、攻めの糸口を掴む手段がないですね。
逆に、居飛車は☖7四歩→☖7五歩と伸ばして相手の飛や桂頭を狙うことが出来ます。また、持ち歩を二枚持っているので、いつでも1筋を攻める含みを有していることも強みの一つ。上図は居飛車の方だけ敵陣を攻める手段を持てているので、居飛車が作戦勝ちと言えるでしょう。
こうして一連の進行を見ると、こちらは自陣角を設置して敵の歩を刈り取ったことで、作戦勝ちに持ち込めたことが分かります。

立石流という戦法は、完成すれば強力な布陣ではありますが、完成までに多くの手数が掛かることが弱点です。それを踏まえると、その居飛車は早い段階で動きを見せてポイントを稼げば、敵の構想を瓦解させることが叶うので戦いを優位に進められます。こうして一歩を刈り取る構想は非常に優秀なので、ぜひお試しください。
手数を費やした歩を取るから価値が高い
なお、☖4二角のような序盤早々に角を手放して一歩を取るのは、一般的には得ではない戦術とされています。例えば筋違い角は、あまり良い戦法ではありませんね。では、なぜ対立石流の場合は有効な戦術になるのでしょうか。
答えの一つに、この場合は相手が歩の移動に手数を費やしていることが挙げられます。

基本的に、将棋は自分の指した手が無効化されると損です。そして、☗7五歩型という配置は、歩の移動に2手費やしていますね。こうした手塩に掛けて育てた配置を失ってしまうと、そこに注いだリソースが無駄になるので大きな痛手となります。ゆえに、この角打ちは効力が高いのです。

また、この場合は打った角がきちんと機能することも、自陣角が成立する条件の一つと言えます。今回の題材だと、大事なのは前者の理由ではありますが、これらの条件が揃っていればこうした指し方は抜群の威力を発揮するので、意識しておくと良いでしょう。
また、こうした対抗型で役立つ知識や考え方は、拙著「現代振り飛車の絶望、そして希望」にもふんだんに記載しております。こちらもご覧いただけますと幸いです。
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