どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【歩を下げて守備力を高めよ】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) March 21, 2026
こちらは6三の銀がタダで取られそうなので、上手く受ける必要があります。しっくりくる手段が難しく見えますが、ここは☖56歩と伸ばすのが適切な一着になります。… pic.twitter.com/TYXDmdu1po
将棋の終盤戦において、自陣に脅威が及んだときは、概ね受けが必要なものです。ただ、受けは攻めとは違い理想図が見えにくいですし、教材の数も少ないので技術の習得が難しい分野ではあります。
そこで今回は、そうした場面で役に立つ受けの考え方をテーマにして、解説を進めたいと思います。
攻めに転じて防衛手段を作る
今回は、上記ツイートの少し手前の局面から解説します。図は相手が☗3八同玉と指し、成銀を取り返したところです。

この局面は、こちらが金桂交換の駒得になっています。しかし、6三の銀が当たりになっており、それの処置が喫緊の課題です。これをタダで取られると「駒得」という主張が消えてしまうので、上手く守りたいところではあります。
とはいえ、この銀の逃げ場はありませんし、味よく紐を付ける手段もありません。力づくで受けるなら☖6二金打になりますが、☗同成桂☖同金☗8二飛と進められると、状況が悪化しています。

こちらは☖5二金寄が指せませんが、そうなると安定感の高い受け方が見当たりません。この局面は駒得が消え、かつ手番を取られつつ攻撃を受けているので不本意ですね。
そうした事情があるので、冒頭の局面で筆者は全く別の方向性の手を選びました。具体的には、☖8八飛と打ちます。これが受けにくい状況を打破する一着ですね。

これは銀取りを放置していますが、こちらは☗6三成桂を許してもまだ自玉は安泰です。ゆえに、☖2八金から攻め合い勝ちを目指すことが出来ます。☖2八金を取ると☖4八飛成で一間竜の形になりますし、☗4九玉には☖7七歩成のと金攻めが間に合います。こちらは☗5二成桂で金を取られても、まだ自玉が詰めろにならないことが自慢ですね。

したがって、ここで相手は一回は自玉の安全を確保する必要があります。そうなると☗3九銀打で囲いを補強するのが妥当ですが、こちらは☖5六歩と突いて、もう一回攻めに転じるのが好着想になります。

ここから☗6三成桂☖5七歩成と進むと、こちらの一手勝ちが濃厚になります。先述したように居飛車は☗5二成桂を許しても詰めろにならないので、直線的な攻め合いは旗色が良いのです。
ゆえに、ここで相手は☗5六同金と手を戻すのが妥当です。こう指されると後続の攻めは難しいのですが、5筋の歩が切れたことで状況が変化しています。すなわち、☖5四歩という受けが発生していることが大きいですね。

これで敵の馬の利きを遮断すれば、6三の銀がタダで取られる心配が無くなります。☗6三成桂☖同金という進行なら被害が少ない上、次の☖4四桂が楽しみなので不満がありません。
また、上図では☗5三歩☖同金☗4五桂という攻め方もありますが、それには☖5二銀という応接がピッタリ。この進行は7三の成桂に空を切らせていますし、桂を入手して☖4四桂も実現できそうなので居飛車が優勢です。5四に歩を打てたことで、囲いの耐久度が格段に上がっていることが分かりますね。
こうして一連の進行を見ると、こちらは☖8八飛から攻めに転じたことが、受けやすい状況を作ることに繋がっていたことが読み取れます。

将棋は相手から攻撃を受けたとき、「効果的な受けが無い」事態に直面することが多々あります。そうした場合は無理に受けるのではなく、攻めに転じて状況に変化を起こす試みが必要です。攻めに転じることで敵の戦力を削減したり、配置を変えて受けの手を発生させる工夫を講じましょう。ただ愚直に我慢することだけが受けではないと知っておくと、視野が広がるかと思います。
味の悪い受け方は切り捨てる
先述したように、将棋で「効果的な受けが無い」事態に陥った場合は、攻めに転じることで事態を好転させるのが得策です。ただ、この「効果的な受けが無い」という状態は、どう判断すれば良いものでしょうか。
判断基準の一つに、「味の悪い受けしかない場合」という考え方があります。

改めて、冒頭の局面を提示します。ここで銀のタダ取りを防ぐなら、☖6二金打や☖5三金打になります。しかし、これらの手は持ち駒を投資したのに囲いが堅くなっていないので、受けとして弱いですね。こうした「一手の価値が乏しい手」が味の悪い受け方であり、そのような手が正解になることは殆どありません。

逆に、上図のような少ないリソースで安定した受けになっている手は味の良い受け方です。こうした受けが見当たらない場合は、積極的に攻めに転じることを考えたほうが良いでしょう。
また、こうした終盤で受けに回る際に心掛けたことが良いことは、他にもあります。詳しくは、以下の記事で解説しておりますので、そちらも併せてご覧いただけますと幸いです。
0件のコメント