どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【角交換振り飛車の攻略法】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) April 14, 2025
相手は待機に徹して千日手もやむ無しという指し方をしています。こちらは後手なので千日手でも構いませんが、ここは☖95歩と突けば優位を掴むことが出来ます。… pic.twitter.com/JvzPbLYCvS
角交換振り飛車は、場合によっては待機に徹して千日手を狙ってくるケースも多々あります。したがって、居飛車党としては、そうした状況の打開法を把握しておくことは必修事項と言えます。
そこで今回は、そうした状況における有力な打開策をテーマにして、解説したいと思います。
角を打ち込む隙を作る
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。下図は相手が☗２七玉と指し、手待ちを行ったところです。
こうした局面は、角交換型の振り飛車の将棋において、そこそこ現れやすい形です。特に、振り飛車側が志向すると、再現性が高い局面ですね。この題材はこちらが後手番ですが、先後が逆でも出現することはあるでしょう。
ここで居飛車は待機に徹しても不満はありません。ただ、打開して優位を得られるのであれば、果敢にチャレンジしたほうが良いでしょう。結論から述べると、上図では☖９五歩☗同歩☖６五桂と進めれば、優勢に導けます。
なお、端歩を突き捨てた意味は後述するので、ひとまず解説を進めます。
振り飛車としては、☗同飛と取れないと面白くないところです。もし☗８八銀のような軟弱な手を指そうものなら、☖８六歩☗同歩☖同飛☗８七歩☖７六飛でとんどん居飛車に攻め駒を活用されてしまいます。この進行は銀桂の働きに差がついているので、居飛車の仕掛けが成功しています。
よって、上図では☗６五同飛が絶対手ですが、そこで☖９八歩☗同香☖７八角と進めるのが期待の手順。これで居飛車は、着実に攻めが続く状況が作れます。
なお、端歩の下準備を行わずに☖６五桂☗同飛☖７八角を決行すると、☗９八角と抵抗されたときに有効な攻めがありません。この受けを封じるために、☖９五歩や☖９八歩の利かしを入れておく必要があるのです。
上図で振り飛車は、桂取りが非常に受けにくい格好です。☗９七桂と逃げても☖８七角成☗６六銀☖９八馬で駒損を回復されるので、状況が好転しません。なお、こうしてスムーズに香が回収できるのも、☖９八歩を叩いた恩恵と言えます。
有効な受けがないなら、振り飛車は☗４五歩で攻め合いに活路を求めることになります。ただ、これには自然に☖８九角成☗４四歩☖同銀と応じておけば、問題ありません。
ここで☗４五歩と打たれても、☖５三銀と引いておけばノーダメージです。振り飛車としては、その後に☗４六桂と設置して☗３五歩→☗３四歩という要領で攻撃したいのですが、☗３四歩と取り込んだときに☖３五桂の反撃があるのが泣き所です。
上図は☖９八馬→☖８七馬という着実な攻めが間に合うことが約束されており、居飛車は自玉が固い状態で駒得になることが見込めます。よって、上図は居飛車が優勢だと言えるでしょう。
こうして一連の進行を見ると、☖９五歩☗同歩☖６五桂の仕掛けによって、居飛車は無理のない形で優位を掴めたことが読み取れます。
角交換振り飛車で［☗６八飛・☗７七銀・☗６五歩型］の配置に構えて膠着状態を狙う手法は頻出しやすいですが、この指し方は６五の歩が負担になりやすく、実は待機に徹した構えではありません。居飛車はこの位を目標にして攻める要領で指せば、仕掛けが成功すると言えるでしょう。この桂を捨てる筋は先に駒損するので見た目は不安がありますが、非常に有力なので、ぜひお試しください。
敵陣の最善型が崩れた瞬間を狙う
上記で述べたように、居飛車は☖９五歩☗同歩☖６五桂の攻め筋を使えば、割と簡単に打開することが出来ます。ただ、これを決行するタイミングに関しては、繊細に考えることが大事です。
具体的には、敵の最善型が崩れた瞬間に決行するのが理想です。
上図は、冒頭の局面の数手前の局面です。居飛車は自陣がまだ最善型ではないので、一回は☖８一飛と指したいですね。そこから☗２八玉☖９五歩☗同歩☖６五桂と進めば、確かに打開することはできます。ただ、この進行は敵玉の位置が２八なので、仕掛けの条件が少し悪いことが気になります。
したがって、こうした場面では、あえて一回☖８四飛と浮き、☗２八玉を見て☖８一飛と進めるほうが勝ります。こうして手番を調整し、敵の最善型を崩してから仕掛けを決行すれば、条件よく戦うことが出来ます。待機策を相手にした場合は、上手く手番を調整して、最適なタイミングで仕掛けることを心掛けましょう。
また、こうした角交換振り飛車を撃破する有力な手段は、他にもあります。よろしければ、以下の記事も併せてご覧いただけますと幸いです。
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