前回の局面を再掲します。ここから後手玉が詰むかどうか、というのがテーマです。

まず、ここで、▲31銀または▲31角とすると、△51玉で詰みません。(下図)
以下▲52銀から飛車は取れるものの、持ち駒が不足しています。何よりこの形は、23の竜が使えていないのが痛いです。

なので最初の図より、31ではなく51から打つことになりますが、のちに▲73角という手を残すため、▲51銀と捨てます。以下、△51同玉、▲21竜と進めて下図。(▲21竜に代えて先に▲73角は△42玉で詰まない)

ここで後手は41に合い駒をすることになりますが、この合い駒が大きな問題になります。のちにその駒を取られそうなケースにおいては、取られた後のことを想定して安い駒を打つのがセオリーとなるため、まず△41桂を考えてみます。以下▲73角として下図。

このとき、△61玉は▲41竜、△42玉も▲31竜までの詰みなので、62に合い駒をしますが、仮に△62銀としても▲52香と打たれます。以下△42玉は▲31竜までなので△61玉として、▲41竜となって下図
このとき62の合い駒が角銀以外だと合い駒利かずで詰み、銀を打った上図も一旦△51銀打のようにはできますが、以下▲62角成△同飛▲51竜までの詰みになります。

この変化では、先ほどの手順で▲31竜という手が何度か出てきたのが問題になります。ですので先手が▲21竜と入ったとき、後手は△41金と金を合い駒するのが正しい応手になります。

こうしておくと、以下▲73角には△42玉として、▲31竜に△同金とできるということです。

しかしまだまだ王手は続きます。△41金には先手は▲52香と打って、以下△同飛▲同金△同玉となって下図。
ここで▲61角は目につくものの、△63玉とかわされて続きません。よって▲41竜と切ることになります。以下△同玉▲31飛△52玉▲41角と進め、簡単には後手玉を上部に逃がさないように追います。
ここで▲63金△71玉▲52角と開き王手をして、△82玉となると、先手は持ち駒不足で手に困ったように見えますが、▲73金と寄って捨てる手があります。
これに対して△93玉は▲91飛成、△92玉は▲74馬でいずれも以下詰みとなりますので、△73同玉と取ることになりますが、▲71飛成とされて再び合い駒を考えることになります。

ここで△83玉は▲74馬以下詰むため、合い駒をする必要があります。しかし、例えば△72銀と打つと、▲74馬とされます。以下△同玉▲72竜となって下図。

こうなると、73に合い駒をすると▲75銀、△64玉にも▲55銀打でいずれも詰みとなります。

72への合い駒に何を打っても、この▲74馬という手があり、以下△同玉に▲72竜で、その合い駒を取られることを想定しておく必要があります。

ですので今回は、セオリー通り安い駒を合い駒するのが、後手としては正解になります。結論としては、△72香または△72桂だと、ぎりぎり詰まないようです。

以下、▲62馬には△64玉、▲65桂には△83玉、▲74馬にも△同玉、▲72竜に△64玉として、先ほどと違い先手の持ち駒が桂になっているので、ぎりぎり詰みを逃れています。

以上より、今回の結論は、後手玉は詰まず、最初の局面は後手勝ち、ということになりました。

カテゴリー: ブログ研究会

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