どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【敵の攻めを減速させるテクニック】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) March 9, 2026
相手は次に☖78とで金を剥がす手を狙っています。受け方は複数ありますが、ここは☗58玉が最もスマートですね。… pic.twitter.com/btrOgHIufa
将棋は一方的に攻め倒して勝てれば理想ですが、現実としては受けに回る手も必要になることが殆どです。特に、敵の攻めを減速させることは、自身の攻めをヒットさせることと同じ以上に大事な技術ですね。
そこで今回は、相手の攻めを減速させる際に役立つ考え方を解説したいと思います。
大駒の「射程」を外す
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☖8九飛と指し、こちらの玉に迫ってきたところです。

この局面は、互いに敵陣に飛車を打ち込んで寄せを進めています。しかし、こちらのと金は確実に銀と交換できるのに対し、相手のと金は金駒との交換が約束されていません、ゆえに、こちらはと金攻めを上手く凌いでしまえば、確固たる優位を築けますね。

相手は次に☖7八とを狙っています。これをいかにして受けるかですが、例えば☗7九桂で壁を作るのは目につくところです。
しかし、そこから☖8八とと接近されると、どうでしょうか。

確かに☖7八とは回避できましたが、今度は☖7九とで6筋の壁を剥がされる手が生じています。また、打ったばかりの桂がすぐに取られてしまうのもネックですね。こちらは上図でも形勢が悪いわけではありませんが、と金に食いつかれているので不満も抱えています。もう少し、スマートな受け方を模索したいですね。
こうした背景があったので、冒頭の局面で筆者は☗5八玉と応じました。これが適切な対応になります。

傍目には自陣に守備駒を増やしていないので、手薄な受け方に感じるかもしれません。しかし、こちらは8九の飛の横利きから逃げておくのが急所なので、この手を指す価値は非常に高いのです。実際、これで驚くほどに後手の攻めは頓挫しています。
ここで☖7八とには☗同金で無効ですね。後手がこれを実現するには、何らかの工夫が必要です。ただ、☖9六馬と引いて7八に数を足そうとすると、☗7九金が絶好の一着になります。

こうなると後手は8九の飛が詰んでいるので、どうしようもありません。この受けがあるので、後手は9七の馬を動かす攻め方が出来ないのです。

後手が鋭く迫るなら、☖3九成香☗同金☖7八とと進めるのが一案です。今度は3九の金が浮いているので、と金をタダで取られることはありません。
ただ、この場合は☗5九金と逃げるのが安定感の高い応接になります。

ここからは☖6八と☗同銀と進むのが妥当ですが、相手の攻め駒は[飛馬銀]の三枚なので、先手玉を寄せ切る余力が残っていません。こちらは攻め駒が潤沢になるので、敵玉を寄せるのは時間の問題です。したがって、上図はこちらが勝勢だと言えるでしょう。
こうして一連の進行を見ると、こちらは☗5八玉と立ったことで、相手の攻めを大幅に遅らせることに成功したことが読み取れます。

このように、敵の攻めを減速させる際には、自玉を敵の大駒の利きから回避しておくことが大事です。冒頭の局面では6九の金が自玉を守ってはいますが、間接的な形でも飛車に睨まれていると危険な状態が続きます。ゆえに、こうして「射程を外す」工夫を行うと、安全度が上がり敵の攻めを減速させることに繋がります。これは非常に汎用性の高いテクニックなので、ぜひ意識してみてください。
囲いの骨格を作りにいく
繰り返しになりますが、今回の題材では敵の大駒の射程から逃れることが話の肝でした。ゆえに筆者は☗5八玉と指したのですが、この手を選んだ背景には、別の理由もあったのです。
それは、「囲いの骨格を作りにいく」ということですね。

こうして5八に玉を上がると、成功例の変化でも出現したように5九に金を寄る含みも生じます。そして、この☗5九金と寄った配置は中原囲いの骨格を完成させています。
当然ながら、囲いは自玉を安全にするものです。ゆえに、それの骨格を作りにいく手は、受けとして価値の高い手になることが殆どです。そうしたことを意識して自玉周辺のお手入れをすると、寄せられにくい状況を作ることが出来るでしょう。
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