どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【遊び駒の活用に悪手無し】
こちらは角金交換の駒得ですが、現状では敵陣を攻める糸口が見えません。
そこで、☖73桂と活用しました。☗54金には☖65桂☗55金☖77桂成☗同桂☖66角で手が作れます。遊び駒を使うと戦力が増強されるので、問題点の改善に繫がりやすいですね。#今日の将棋ウォーズ pic.twitter.com/7FtVGRkkGn
— あらきっぺ (@burstlinker0828) February 6, 2023
このツイートで大事なことは、最後に記した一文。すなわち、「遊び駒を使うと戦力が増強されるので、問題点の改善に繫がりやすい」という部分ですね。これを意識しておくと、ぐっとレベルの高い将棋が指せるようになると思います。
遊び駒の活用に悪手なし
ちなみに、上記ツイートの局面を迎える前の場面は、こうした局面でした。
相手が▲5六角と上がったところ。これは、次に▲8四歩△同歩▲8三歩という攻めを狙っていますね。これをどう受けるかが、この局面のこちらのテーマです。
この攻めは、基本的に8三の地点に照準を定めています。ただ、こちらはその地点に利きを増やすことは難しいですね。△6一角と打っても▲8四歩△同歩▲8三歩△同角▲8四飛で受けになりません。そもそも、仮に受かっていたとしても、こんな場所に角を打ちたくはないでしょう。
また、△6五歩と突けば相手の角道は遮断できますが、▲同歩のあとに何を指すのかという問題が発生します。これは次に▲6六銀や▲6四歩といった自然に駒を前進させる手を与えているので、あまり良い受けではありません。ゆえに、△6五歩も指したくない手と言えます。
そうなると困ったようですが、ここで冒頭の言葉を思い出してください。そう、「遊び駒を使うと戦力が増強されるので、問題点の改善に繫がりやすい」ですね。
こちらの一番の遊び駒は、何と言っても8一の桂です。現状では全く動くことが出来ませんから。なので、これの活用を図ることを考えてみましょう。
そうなると、△7四歩と突く手が浮かぶかと思います。これには▲同角が妥当ですが、△6三金▲5六角と進めます。
ひとまず桂が跳べるようになりました。ただし、ここで△7三桂を指してもその先に進めるわけではありません。△6五桂と跳べる状況を作ってから△7三桂と跳ぶ方がスムーズに桂が活用できますね。
という訳で、6筋の歩も突き捨ててしまいましょう。
さて、これで△7三桂→△6五桂という道筋が作れました。ただし、ここで喜び勇んで桂を跳ねると、▲6八飛と足し算されたときが厄介です。
こうなると、△6五桂を跳びにくい上に、▲6四歩という突き出しも見せられてしまうので、思わしくありません。居飛車としては、確実に△6五桂を指せる状況を作ってから桂を跳びたいのです。
したがって、ここは△5五銀▲4五角△5四金と進め、先に金を上がっておきましょう。
もし▲3六角なら、△7三桂が絶好ですね。今度は金を上がったことで6五への利きが増えており、確実に△6五桂を指せる状況が作れています。
相手は角を逃げているようでは勝ち目がないと見て▲同角△同歩▲4五金と攻めてきましたが、これで△7三桂と跳ねたのが、冒頭のツイートの局面ですね。
先述したように、この局面は居飛車成功です。駒得でかつ全ての駒が活用できていることが、その理由ですね。
戦力を増強することは、あらゆる問題の解決に繋がる
一連の進行を追ってみると、基本的に居飛車は8一の桂を使うことを軸に指し手を組み立ててきました。そして、それを実行した結果、いつの間にか▲8四歩△同歩▲8三歩の狙い筋をかき消すことに成功していますね。こうした状況を見ると、「遊び駒を使うと戦力が増強されるので、問題点の改善に繫がりやすい」という意味が、より一層分かりやすく感じられたのではないでしょうか。
このように、将棋は遊び駒を使う(駒の効率を高める)と、状況が好転することが多々あります。何か困ったことが起きた場合は、直接的にそれを防ぐことを考えるのではなく、視点を変えて遊び駒を活用することを考えるのも一案だと言えるでしょう。
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