どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【ほぼ100%損にならない手筋】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) February 28, 2023
相手の飛を抑えているので居飛車が優勢ですが、何を指すか悩ましい場面。ただ、ひとまず☖82歩は指しておきたいですね。
地味ではありますが、相手の大駒を封印できるので、絶対に損になりません。こうした手は間違いが無いとしたものです。#今日の将棋ウォーズ pic.twitter.com/cyQdmIanZq
こうした相手の大駒を封印する手筋は、少ないリソースで大きなリターンを得られるので、とても使い勝手が良いですね。今回は、このテクニックをテーマに解説を進めたいと思います。
大駒を封印するテクニック
なお、ツイートの題材では持ち駒の歩を打って相手の馬を閉じ込めていますが、こうした馬を活躍させない手筋としては、以下の図面の方が見慣れた配置ではないでしょうか。
こうした局面では、▲7七桂と跳ねるのが習いある一着ですね。桂取りを避けつつ相手の馬の働きを削ぐことが出来るので、味が良いこと、この上ありません。
ただ、ここで一つ問題があります。それは、そもそも相手の大駒が僻地に移動してくれないと、それを閉じ込めることが出来ないということです。なので、このテクニックを使うためには、如何にして相手が大駒を僻地に移動するしかない状況を作れるかどうかということが、鍵になると言えるでしょう。
この点を踏まえた上で、以下の局面をご覧ください。
相手が▲9五角と飛び出た局面です。これは▲7三角成を狙っていますね。ただ、△6四銀のような受けでは囲いが薄くなりますし、4四の拠点が盤上に残ってしまいます。加えて、▲8三歩△同飛▲4三銀と放り込まれるのも嫌味な攻め筋でしょう。
どのように受けるのか悩ましい場面ですが、ここで冒頭に記した大駒を封じるテクニックを考えてみます。確かに▲7三角成は厄介ですが、その後に▲9一馬で香を取られる手はそこまで嫌ではありません。なぜなら、これは馬が僻地に移動してくれるので、大駒を封印できる可能性があるからです。
という訳で、こちらとしては、▲7三角成→▲9一馬を指させるように仕向ければ良いという理屈になります。
具体的には、△4四銀で拠点を払っておきましょう。
この局面の相手は、機能している攻め駒は9五の角と持ち駒の銀の二枚だけ。しかし、その戦力では敵陣を攻略することは叶いません。よって、ここは▲7三角成△8五飛▲9一馬で駒を補充するのが妥当でしょう。
ただ、こうなると、こちらは馬を僻地に移動させることが出来たので、思惑通りの進行と言えます。本譜は△4五桂▲4七香の交換を入れてから△8二歩と打っておきました。
ここまで来ると、相手の大駒は二枚とも眠っており、こちらは中央を制圧することに成功しています。この局面は、駒の働きに大きな差が着いているので、居飛車が優勢だと言えるでしょう。
相手の攻め駒を、前もって削っておく
先述したように、今回のテクニックは相手が大駒を僻地に移動するしかない状況を作ることが必要条件です。そのためには、相手の攻め駒を削っておくことが、有効な策の一つとなります。
今回の事例で言えば、△4四銀で拠点を払った手がそれに当たります。こうして攻め駒を削っておくと、相手は攻め駒が枯渇することになります。戦力不足を補うためには、何らかの駒を補充するよりありません。そのとき、端の香を取らせるように誘導すれば、相手の大駒を封印することが出来るという訳です。
つまり、指し手の流れとしては、
Phase1 相手の攻め駒を削り、戦力不足に追い込む。
Phase2 相手はそれを補うため、駒を取りに来る。
Phase3 その動きを利用して、大駒を封印する。
こうした「組み立て」で考えると、今回のテクニックが発動しやすくなると言えるでしょう。
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