後手超速の攻めを迎撃する方法

どうも、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

【先手中飛車の必修手筋】

相手が超速から☖72飛→☖75歩と動いた場面。この仕掛けには全て取って☗66角と上がるのが良い対応になります。

あとは☗78飛から飛車交換を挑みましょう。最終図はどこに後手の飛車が逃げても☗76飛と指せば、振り飛車が捌けているので優勢ですね。#今日の将棋ウォーズ pic.twitter.com/4iq22w5Lg4

— あらきっぺ (@burstlinker0828) May 14, 2023

先手中飛車は攻めっ気の強い戦法ですが、後手超速を相手にした場合は、ほぼ100％先攻されることになります。なので、その攻めを迎撃する手法を把握しておくことは大事ですね。今回は、その手法を解説したいと思います。

銀交換されるメリットを考える

今回は、上記ツイートの少し手前の局面から解説を進めたいと思います。下図は居飛車が☖７二飛と寄り、袖飛車に構えた局面です。

こうして飛車を７筋に移動するのは、この戦型でときおり見られる指し方です。居飛車は次に☖７五歩を突くことで、銀を捌くことを狙っていますね。

ただ、この攻め筋は８一の桂を使うまでに時間が掛かるので、振り飛車としてはあまり怖くない攻め方です。むしろ、銀交換になると７七の角が軽くなり使いやすくなるので、そのメリットを活かすことを考えましょう。

手始めに、☗２八玉と上がって攻めを待ちます。

先手中飛車に限らず振り飛車全般に言えることですが、こうした急戦系の作戦を相手にしたとき、振り飛車側は玉の堅さの差を主張することが大事です。そうすれば、互角の捌き合いに持ち込むだけで有利な終盤戦を迎えることが出来ます。☗２八玉を指すことで、振り飛車は相手よりも玉型が堅くなりました。

要するに、仕掛けられる前には、決戦する準備を整えよという訳ですね。

居飛車は☖７二飛と指した以上、☖７五歩と仕掛けるのは当然です。これには全て交換した後に☗６六角と上がりましょう。これが急所の一着ですね。

居飛車は☖７四飛と逃げるのが妥当ですが、そこで☗７八飛が期待の後続手。先述したように、互角の捌き合いになれば、玉型で勝る振り飛車が有利になります。よって、駒損しない形で飛車交換を挑むのが良い姿勢になりますね。

飛車交換になれば、☗７一飛から桂香を回収する手が楽しみです。居飛車は☖７六歩でそれを拒否するのが妥当ですが、☗６五銀→☗７六飛と進めれば問題ありません。

この進行は自分だけ銀を手放してしまいますが、駒損しない形で飛車交換に持ち込めるので、気にやむ必要はありません。上図からは☖７六同飛☗同銀と進むのが自然ですが、振り飛車は☗７一飛や☗８三飛から着実に駒得を重ねれば、徐々に優位が広がっていくことでしょう。

☖７二飛→☖７五歩から銀交換になると、振り飛車は角頭の守りは薄くなりますが、代わりに左辺の配置が軽くなる恩恵が得られます。なので、それを活かしたカウンターを撃てば、仕掛けを逆用することが出来ますね。☗７八飛から飛車交換を挑む筋は応用力が高いので、ぜひ意識してみてください。

☗６六角を効果的に使おう

先述したように、今回の事例では☗７八飛から飛車交換を挑むことがポイントでした。そして、その迎撃策が決行できた要因として、☗６六角という手を有効に使ったことが挙げられます。

つまり、ここで☗６六角以外の手を選んでしまうと、☖７六銀と押さえられたり、☖７四飛→☖７三桂→☖６五桂という活用を間に合わされたりする懸念が生じます。そうして押さえ込まれたり相手の遊び駒に活用されると、互角の捌き合いに持ち込むことが難しくなってしまいますね。

しかし、ここで☗６六角を上がっておけば、飛車を７筋から活用する余地が生まれます。また、今回では使うことは無かったですが、☗５四歩と突きやすくなったり、☗７七桂と活用する含みも生じますね。

つまり、☗６六角を指すと攻めの手段が格段に増えるので、それを指しておくことは非常に価値が高いのです。☖７二飛から銀交換を狙う攻め筋には、☗６六角を有効に使うことを覚えておきましょう。

また、こうした知っておくと役立つ将棋の知識やテクニックは、私のブログや note にもふんだんに記載しております。よろしければ、こちらもご覧いただけますと幸いです！

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