どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【角頭歩突き戦法の攻略法】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) August 20, 2023
この作戦には☗78金で左辺を固め、それから☗25歩☖同歩☗同飛と動くのが優秀な対策です。
2筋の歩を交換すると☖88角成→☖22飛の迎撃を誘発しますが、☗23角と打ちましょう。最終図は馬を作れることが約束されたので、居飛車が有利ですね。#今日の将棋ウォーズ pic.twitter.com/YrZ3jVlPK1
角頭歩突き戦法は、いわゆる奇襲戦法の一つです。こうした奇襲戦法はきちんと咎めないと、ブラフを通されよくある定跡形よりも損した状況になってしまうことも少なくありません。なので、今回はこの戦法を真っ向から攻略する指し方を解説したいと思います。
早期決戦が最適解
改めて、上記ツイートの局面を振り返ってみましょう。図は相手が☖2四歩と指し、角頭歩突き戦法の採用を表明したところです。
この戦法の趣旨を簡単に述べると、後手は2筋の均衡を保った状態で角交換振り飛車を採用したい狙いがあります。つまり、普通に角交換振り飛車を志向すると、居飛車に2筋の歩を伸ばされて☖2四歩と突くことが出来ません。しかし、順番を逆にすれば、☖2四歩型の角交換振り飛車に組める余地が生まれますね。
さて、先手はここから穏便に指しても一局です。ただ、やはり居飛車にとって飛車先の歩は伸ばしておきたいもの。[☗2六歩・☖2四歩型]という配置で落ち着いてしまうと、2筋の関係がイーブンになるので居飛車は優位性を得ることが出来ません。なので、この☖2四歩を咎めることを考えたいですね。
ドンパチするなら☗2五歩と突っ掛けることになります。しかし、これは☖同歩☗同飛☖8八角成☗同銀☖3三桂で、先手は容易ではありません。現状では先手も守りが不十分なので、決戦を挑む条件が悪いところがあります。
なので、先手は一旦は守備を固めることが必須です。具体的には☗7八金と上がりましょう。まずは左辺を固めておくのが肝要です。
この手を指しておけば8八と6七を強化できるので、両取りの筋を食らいにくくなります。こうすれば、決戦する準備が整いますね。
後手は☖8八角成→☖2二飛で飛車を振りたいのですが、現状では☗6五角の両取りがあるので上手くいきません。ゆえに、☖5四歩と突いてその筋を防ぐ手は必須です。先手はこの交換を入れてから☗2五歩☖同歩☗同飛と動きましょう。
こうして歩交換されたときは、☖8八角成☗同銀☖3三桂がこの戦型における常套手段です。しかし、後手は5筋の歩を突いてしまったので、☗2三飛成☖2二飛☗3三竜☖2九飛成☗5三桂と踏み込まれると、芳しくありません。これは金銀が動いていない弊害が祟る変化ですね。
よって、後手は☖8八角成☗同銀☖2二飛と応対する方が勝ります。しかし、そこで☗2三角が眼目の一着。先手はこれに期待しているので、2筋の歩交換に踏み切った背景があります。
これの狙いは、☗3四角成から馬を作ること。ただ、後手はそれが分かっていても防げないですね。一方的に馬が作れれば後手は主張が乏しい展開になるので、先手の優位は揺るがないものになります。
後手は☖1四角と打てば、2三の角は一時的には消せます。けれども、先手は気にせず☗同角成☖同歩☗2三角で、もう一度打ちましょう。
相変わらず、後手は☗3四角成が防げません。なお、1筋の歩を動かしたことを活かすなら、☖2四歩☗同飛☖1三角☗2八飛☖5七角成という反撃はあります。ただ、そこでじっと☗2四歩と打っておけば、後手を受けが難しい状況に追い込むことが出来ますね。
ここに歩を設置しておけば、☗4一角成☖同玉☗2三歩成という狙いが生じます。先手はこれと☗3四角成のどちらかを実現できることが約束されており、戦果を得ることに成功しています。上図は飛車の働きに差が着いていることが大きく、先手有利と言えるでしょう。
このように、角頭歩突き戦法には、☗7八金で左辺を固めてから早期決戦を挑むのが優秀な対策となります。後手は☖2四歩と突いた手が無駄になりやすく、速攻を仕掛けられると受けの態勢を整える余裕がありません。相手に変化される余地が少なく覚えることも少ないので、居飛車党にとっては頼もしい指し方ですね。
条件の良い戦いは、どんどん挑むべき
なお、こうした駒組みを整えず早期決戦を挑むのは、怖くてどうしても抵抗があるという方は少なくないと思います。確かに、玉を囲ってから戦う方が無難なので、リスクを抱えているのは確かですね。しかし、相手の目線に立って考えると、そうした恐怖心は薄れると思います。
例えば、この決戦を挑んだ局面を改めて見てみましょう。
先手は居玉であり、後手には☖8八角成☗同銀☖3三桂(☖2二飛)という迎撃策があります。ゆえに、怖さを感じるのは至って平常です。しかし、居玉というは後手も同じですし、2筋を攻められているのは、むしろ後手の方ですよね。そうなると、相手の方が怖い思いをしていると感じられるのではないでしょうか?
加えて、この局面で先手には「☗7八金」という受けの整備が一手入っています。けれども、後手は金気が全く動いておらず、受けの構えが整っていません。つまり、先手の方が守備力が高い状態で決戦を挑んでいるのです。
将棋は、彼我の陣形を相対的に評価することが大事です。自分の陣形だけ見て、「今は囲いが整っていないから攻めちゃダメ」と判断するのは、非常にもったいない考え方です。相対的にみて自軍の方が条件が良いと感じたら、それは決戦を挑むチャンスを迎えている証拠です。そうしたことを意識すると、仕掛けのタイミングを正しく判断できるようになるでしょう。
また、こうした知っておくと役立つ将棋の知識やテクニックは、私のブログや note にもふんだんに記載しております。こちらもご覧いただけますと幸いです!
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