どうも、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

三間飛車や四間飛車に対して、☗4五歩早仕掛けは有力な作戦の一つです。ただ、この作戦は激しく捌き合う性質があるので、攻め方を誤ると痛快なカウンターを喫するリスクもあります。

そこで今回は、この戦法を指す上で知っておくと役に立つ考え方や攻め筋をテーマにして、解説を進めたいと思います。

☗2四飛と走った瞬間に注意せよ

今回は、上記ツイートの少し手前の局面から振り返ってみましょう。図は相手が☖6二銀と指し、玉型を整備したところです。

45歩早仕掛け 定跡

この将棋は振り飛車が序盤で9筋の位を取る指し方を選んでいます。居飛車は相手の駒組みの立ち遅れを咎めたいので、こうして急戦系の作戦を採用しています。

さて、次に振り飛車は☖5四歩や☖3二金などが価値の高い手待ちになります。居飛車はそれらを指される前に動いた方が得策なので、ここは☗4五歩が最善。それを指せば☖同銀☗同桂☖同飛までは妥当な進行でしょう。

45歩早仕掛け 定跡

問題は、ここで何を指すか。居飛車は☗4五歩を打ったことで銀桂交換の駒得になりましたが、それを指したことで歩切れになったり、相手の飛車を捌かせているデメリットもあります。ゆえに、その損失を解消することを目指すのは一つの指針だと考えられます。

例えば、☗3三角成☖同桂☗2四飛と指せば、歩切れを解消したり、自軍の飛車を捌くことが出来ます。一見、これで何の不都合も無いようですが、これには☖1五角が手痛い一撃になりますね。

45歩早仕掛け 定跡

☗2一飛成には☖4八角成で駒損になりますし、☗2八飛と引いても☖2七歩の追撃があります。居飛車は自身の主張であった駒得が吹き飛んでいるので、上図は形勢を損ねてしまった格好です。このように、愚直に飛車を捌いていくと☖1五角のカウンターがあるので、居飛車は上手くいきません。

ところで、☗4五歩早仕掛けという戦法は、角を交換して☗2四飛と走ることがメインの狙いです。なので、この戦型において[☗3三角成☖同桂☗2四飛]という手順で飛車を捌く筋は、確かに頻出します。

しかし、[☗3三角成☖同桂☗2四飛]という手順を踏むと、☗2四飛と走った手が桂取りにならないので、その瞬間は攻めが緩んでいます。ゆえに、そこで相手にカウンターを撃たれないよう、注意する必要があるのです。つまり、☗2四飛を走るためには、相手の反撃を封じた状態で走らないといけないのですね。

45歩早仕掛け 定跡

そうした背景があるので、筆者はここから☗3三角成☖同桂☗2三角と指しました。飛車を走るのではなく、じっと角を設置しておくのが面白い攻め方になります。

45歩早仕掛け 定跡

これは次に☗3四角成を狙っています。それが実現すれば、歩切れを解消しながら相手の飛車を目標に攻めることが出来るので、先述したデメリットをかき消すことに成功します。

そして、振り飛車はこの☗3四角成の一転狙いが見た目以上に受けにくいのです。☖4四飛には☗5五銀☖4二飛☗3四角成で問題ありません。これは相手の飛車を押さえ込めることが大きいですね。

45歩早仕掛け 定跡

振り飛車が☗3四角成を防ぐには、持ち駒を投資するよりない状況です。ゆえに本譜は☖5二角と受けてきたのですが、ここに角を使わせれば、今度こそ悠々と☗2四飛が指せますね。

45歩早仕掛け 定跡

☖1五角の筋さえ無ければ、居飛車は自陣に脅威が及びません。ここで☖2二歩には、☗4一角成☖同飛☗2二飛成で問題なし。居飛車は角を切っていますが、5二の角を小駒で回収できそうな状況なので、将来的には駒得になることが見込まれます。そうなれば、先に飛車を成り込んだアドバンテージが光りますね。

こうしてみると、居飛車は☗2三角を打ったことで、リスクを負うことなく飛車を捌くことに成功したことが読み取れます。

45歩早仕掛け 定跡

このように、☗4五歩早仕掛けの将棋は、角を交換した後の攻め方が大いに鍵を握ります。基本的に☗2四飛と走った瞬間は振り飛車に手番が回っているので、そこで何らかの反撃が飛んでくることを想定しなければいけません。しかし、こうして☗2三角→☗3四角成という順で敵陣を攻めると、カウンターを撃たれにくい状況が作りやすくなります。

要するに、[☗3三角成☖同桂]という順だけでは、飛車を走る準備が整っていないと判断した方が賢明なのです。

☗2三角は応用力が高い一着

ちなみに、今回の題材の一番の肝である☗2三角という攻め筋は、応用力が高い手法です。この攻め筋は、多少の配置の違いに関係なく、有効になるケースが多いですね。

45歩早仕掛け 定跡

例えば、上図のように相手が美濃囲いに組んでいるときも、☗2三角が最適な攻めになります。3四に馬を作れば相手の金を睨む格好になるので、寄せに十分役役立つことが強みですね。

ちなみに、上図のように相手の金が5二にいる場合は、☗2三角に☖4三金という受けがあるので、居飛車も一筋縄にはいきません。ただ、それでも囲いの金を上擦らせる利点は大きいので、ここは角を打ちたい局面です。裏を返せば、☖4三金の受けが利かない場面では、尚更打った方が良いと言えますね。

また、こうした知っておくと役立つ将棋の定跡やテクニックは、私のブログや note にもふんだんに記載しております。こちらもご覧いただけますと幸いです。

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1件のコメント

武田和浩 · 2024年2月3日 8:28 AM

2三角、いい手ですね🎵走りたい飛車先、そして相手の歩越しなので考えなかったですが、勉強になりました!💡

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