どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【右四間飛車を受ける必修手筋】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) September 7, 2024
こちらは端攻めを見せられており、悠長な態度は取れない状況です。ピンチのように感じますが、☖64角が相手の攻めを堰き止める手筋になります。… pic.twitter.com/ux4RNrh8wi
現代将棋において雁木は主要戦法の一つなので、これを採用するプレイヤーは多いのではないでしょうか。ただ、雁木は急戦策が強敵で、その中でも右四間飛車は厄介な相手の一つです。
そこで今回は、右四間飛車に対して有力な受け方を解説したいと思います。
端の突き合いが無い場合は……
今回は、上記ツイートの少し手前の局面から振り返ってみましょう。下図は相手が☗6六角と指し、王手を掛けたところです。
この局面は、相手が☗4五歩と仕掛けてきて、それを☖4五同歩☗2二角成☖同玉☗6六角と進んで迎えたところです。こうして角を打ち直して攻めを継続させるのは、右四間飛車の常套手段の一つですね。
これに対して、「角には角で対抗せよ」という格言に則り、☖4四角と受けるのは自然な対応です。ただ、端の突き合いが入っていない場合は、それを活かした対応も考えられます。
具体的には、☖1二玉で攻めをいなすのが面白い指し方ですね。
こうして角の利きを遮断しないのは不安感がありますが、この受け方を選ぶと、戦場になるであろう4筋から自玉を遠ざけられることが利点です。見た目は危なっかしいですが、基本的に自玉は戦場から離れた位置に居るほうが安全なので、理に適った指し方だと言えるでしょう。
ただ、こうして端に避難すると、端攻めを誘発するリスクはあります。例えば上図から☗1六歩は非常に気になる一着ですね。
しかし、結論から述べると、それは心配無用です。なぜなら、その局面では☖6四角が絶好の受けになるからです。この角打ちを銘記して頂きたいですね。
ご覧のように、これは桂取りです。しかし、相手はそれを味よく受ける手段が意外に見当たりません。☗4七飛だと☖4六歩、☗3八飛だと☖4四銀右で、いずれも飛車の働きが悪化するので4筋を攻めることが難しくなります。
他には☗4五桂と跳ねる手も考えられますが、これには自然に☖4四銀右とかわしておけば、やはり後続の攻めはありません。
相手は1九の香を取られてしまうと、端攻めが出来なくなってしまいます。けれども、それを防ぐと☖5五歩と突かれて駒損が確定するので、良い対応がありません。ゆえに、上図はこちらの受けが成功した局面と言えます。
こうした進行を見ると、☖1二玉と寄った手や☖6四角と打った手が、見事に機能していることが読み取れますね。
このように、雁木で右四間飛車を相手にする場合は、☖6四角と打つ手が有力な迎撃手段になり得るケースが多々あります。ここに角を打つと3七の桂や1九の香をターゲットに出来る(つまり、端攻めが来にくくなる)ので、☖1二玉と寄る受け方とシナジーが高いことも嬉しいポイントですね。これは多少の配置の違いに関係なく応用できるので、ぜひ試してみてください。
右四間飛車側の正しい攻め方
ちなみに、今回のテーマ図で右四間飛車側は駒組みで無駄な手を一切指していないので、作戦そのものは悪くありません。右四間飛車の攻めが頓挫した理由は、安易に☖6四角を打たせてしまったことにあります。そこでここからは、立場を変えて右四間飛車の正しい攻め方にも言及しておきましょう。
結論から述べると、雁木が☖1二玉と寄ってきたときに☗1六歩で端攻めを見せたのが悠長な一着です。代えて☗3五歩と突っ掛けるほうが、威力の高い攻めになります。
これは☖6四角と打たれたときに、☗4五桂☖4四銀右☗3四歩という攻めを用意した意味があります。今度は4五に跳ねた桂が3三へ進むことが出来るので、攻めが続きます。こうして☖6四角を牽制しながら攻めることが、右四間飛車のコツの一つですね。
後手は3筋の歩を取り込まれると☗4五桂の威力が上がってしまうので、上図では☖3五同歩が妥当です。以下、☗4五桂☖6四銀☗7五歩が進行の一例になります。
なお、先手は3三や4四に歩を打つことも出来ましたが、それを指すと自分の角道を止める弊害もあるので、良いことばかりではありません。安易に歩切れになると切れ筋に陥りやすいので、争点を増やして歩を蓄えやすい状況を作るほうが賢明です。
後手も受け一方だと勝算が乏しいので、上図では☖8六歩☗同歩☖8八歩☗同金☖5五歩という要領で反撃するのが一案です。互いに囲いに火がついているので形勢は難解ですが、少なくともこの進行なら右四間飛車側は攻めが頓挫する恐れはありません。6四に角を打たさない展開に持ち込むことが、この戦型におけるポイントの一つと言えるでしょう。
また、雁木で右四間飛車を対処する構想は、他にも種類があります。よろしければ、以下の記事も併せてご覧いただけますと幸いです。
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