どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【攻め筋を作るテクニック】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) November 20, 2024
こちらは持ち駒の飛車を敵陣に打ちたいですが、現状では隙がありません。よって、それを作る手段が必要です。… pic.twitter.com/RIdY98HLch
将棋を指していると、「攻めたいのに適切な手段が見当たらない……」という場面を迎えることもありますね。そうした場面では、そもそも敵陣が攻めにくい状況に陥っていることも少なくありません。
そこで今回は、どんなことを意識すれば分かりやすい攻め筋を作ることが出来るのか? ということをテーマにして、解説したいと思います。
相手の守備駒を定位置から移動させる
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。下図は相手が☖9八飛成と指し、こちらの香を取ったところです。
こちらは左辺から攻め込まれていますが、7筋にはバリケードが設置できており、現状は玉型に不安がありません。しかし、香損しているので、それの代償が得られないと苦しい将棋になります。何かしら攻め筋を見出して、香損をリカバリーする戦果を上げたい場面ですね。
さて、敵陣をどこから攻めるかですが、左辺は歩を攻めに使うことが出来ないので、そこから攻略を目指すのは現実的ではありません。よって、右辺から手を作ることを考えましょう。特に、2筋は手薄なので狙い目と言えます。
結論から述べると、ここは☗2二歩と叩く手が効果的な一着になります。
次に桂が取れると非常に大きいので、相手はこの歩を無視するわけにはいきません。素直に応じるなら、☖2二同金になるでしょう。ただ、この応酬によって、相手は中住まいの定位置から金が移動することになりました。こうして守備駒が定位置から動くと、隙が生じることは多いものです。
この場合で言うと、☗3一飛と打てるようになっていますね。
これは8一の桂取りと同時に、☗2三歩という攻め筋も見せています。特に後者が厳しく、この叩きが入ると後手は2二の金が取られかねないので、収拾がつきません。よって、この局面はこちらが手を作ることに成功しています。
そうなると、この☗2二歩には☖3三桂と逃げるほうが粘り強い受け方と言えます。しかし、2一の桂が動くと下段に隙が生じるので、☗同桂成☖同銀☗2一飛で、やはり敵陣に飛車を打ち込むことが出来ますね。
こうなると桂香両取りが掛かっており、こちらは香損の回復が約束されました。加えて、次は☗3三角成→☗6一銀という攻めも痛烈です。これらの攻め筋があるので、後手は受け切ることは望めない状況です。そうなると、玉型で勝っているこちらが旗色の良い終盤戦になりますね。
複数の変化を見ていきましたが、いずれも☗2二歩と叩いたことにより、こちらは手を作ることに成功したことが分かります。
このように、攻めやすい状況を作るには、相手の守備駒を定位置から移動させることがコツの一つです。特に、囲いの金を定位置から動かす手は効果が高く、それを実行すれば隙を作れることは多々あります。これは非常に汎用性が高いテクニックなので、ぜひ意識してみてください。
敵陣を引き締めさせる手を指さない
繰り返しになりますが、今回の題材では相手の守備駒を移動させることが重要な部分でした。これは裏を返せば、そうした状況に持ち込めない攻め方は、急所を外していると解釈しても良いでしょう。
例えば、冒頭の局面では☗2四歩と垂れ歩を打つ手も見た目は自然ではあります。しかし、これは☖2二歩と受けられると、かえって敵陣を引き締めさせているので損な取引になっています。ここに歩を埋められると☗2二歩と叩く筋が消えることが痛いですね。
また、ここから☗2三歩成☖同歩☗2二歩と進めても、☖同金☗3一飛☖7一金で後続がありません。この変化は☗2三歩と叩けないのが痛恨です。
要するに、上図は☖2二歩を打たれたことで、3二の金を移動させることが難しくなっており、ゆえにこちらは手を作ることが出来ないのです。[☗2四歩☖2二歩]のような利かしは実戦では頻出するものですが、こうした利かしを入れることで守備駒が移動しやすくなっているのかどうかという点は、強く意識しなければいけません。攻め筋を作る際には、こうした細かい違いに敏感になることが大事ですね。
また、こうした攻め筋を作る際に意識すると良いことは、他にもあります。よろしければ、以下の記事も併せてご覧いただけますと幸いです。
1件のコメント
武田和浩 · 2024年12月23日 12:41 PM
2二歩、さすがですね🎵その後2三歩でしびれています❗️