どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【角換わりで役立つ必修手筋】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) May 24, 2025
相手は角を打ち込み、馬を作ろうとしています。ただ、この局面においては逆用することが可能です。… pic.twitter.com/015WWl6OXG
角換わりの将棋は、仕掛けや攻め筋がパターン化されています。したがって、どの攻め筋を使うか、及び、それはどのような場合で有効なのかということを把握しておくことが大事です。今回は、知っておくと便利な攻め筋を紹介したいと思います。
自陣角で馬を封じる
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗7二角と指し、馬を作ろうとしているところです。

ご覧の通り、相手は右玉に構えています。こちらは打開するべく6筋から動きましたが、その結果、駒が上擦り、角の打ち込みを許しています。上図は馬を作られることは確定しているので、それを活躍させない手段が必要です。
さて、相手は☗5四角成がメインの狙いなので、それを防ぐことを考えるのは自然です。ただ、☖6三歩のような「ただ受けるだけ」の手を指してしまうと、☗8三角成で形勢を損ねることになります。

こうなると次の☗7四馬が受けにくく、非常に嫌らしいですね。加えて、こちらは敵陣を攻める態勢が整っていないのも問題と言えます。このように、「ただ受けるだけ」の手を選んでしまうと、相手にじわじわとポイントを稼がれてしまうので、不本意な展開になってしまいます。
そうした思惑があったので、冒頭の局面で筆者は、反発力のある手段を採りました。手始めに☖5五歩☗6七銀の利かしを入れ、それから☖6二金と寄ります。これが相手の角打ちを逆用する手順になります。

ここで相手は、角の逃げ場が二通りあります。順に見ていきましょう。
まず☗8三角成と指された場合ですが、これには☖6三角が期待の一着になります。ここに角を設置できるので、今度は8三に馬を作られても差し支えないのです。

これは次に、☖8一飛で馬を捕獲する狙いがあります。また、☗8二馬でそれを防いでも☖7二金で召し取れますね。上図は馬を自陣角で完全に封じ込むことが出来ており、相手は有効な処置がありません。

したがって、ここでは☗5四角成のほうが手強い一着ではあります。ひとまず☖5三金と上がりますが、そこで☗7二馬と潜れば、相手は馬が捕まる心配はありません。
しかしながら、こちらは引き続き、敵の馬を目標にするのが好着想になります。具体的には、☖8一角が絶好の一手。このラインに角を配置するのが急所ですね。

これは表向きには馬取りですが、真の狙いは3筋の歩を突いて、桂頭を攻撃することにあります。つまり、☗6二馬や☗8三馬なら☖3五歩で桂を目標にすれば、優位を掴めます。そこから戦いを起こせば相手は6・7筋の金銀が機能しないので、自ずと旗色の良い戦いになります。
また、☗8二馬で角を質駒にしてきた場合は、一旦☖5四角で力を溜めましょう。次は、やはり☖3五歩が狙いです。その進行は、8二の馬が完全に遊んでしまうので、こちらの角のほうが働きが良く、ゆえに形勢もリードしています。

他には☗8一同馬☖同飛☗7二角と進める案もありますが、この場合も、やはり急所のラインに角を設置すれば問題ありません。すなわち、☖7一飛☗8三角成☖5四角と進めれば、☖8一角と打った局面と似たような状況が作れます。

これも次の☖3五歩が厳しいですね。相手は馬を活用したいですが、☗8二馬は☖4一飛で効果薄ですし、☗7四馬は☖6五桂で技が掛かるので指せません。これも馬が働かない展開に持ち込めているので、こちらの優位は揺るがないと言えるでしょう。
こうして複数の変化を見ると、こちらは6三や5四に角を据えると、それが攻防に機能することが読み取れます。

基本的に角換わりの将棋は、自陣に角を打ち込まれないよう注意しながら指す必要があります。しかし、こうした右玉が相手の場合、それを打たれて馬を作られても、筋違い角を放てば逆用できるケースが多々あります。これは、打った角が馬の動きを封じつつ、敵の桂頭を攻める軸駒になるからです。こうした性質を理解しておくと、打開策を組み立てるときに役立つことが多いでしょう。
幅広い場面で応用できる
なお、こうした対右玉における筋違い角は、幅広い場面で応用できる手法です。具体例を複数、提示しておきます。
【右玉には筋違い角を打て】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) August 3, 2022
ここは☗77銀で駒組みを進めても一局ですが、それよりも☗56角の方が面白いですね。
3四の歩が取れれば大きいですし、☖43銀には☗75歩から桂頭を攻めればリードを奪えます。
こうした筋違い角で右玉を攻略するのは、頻出の攻め筋ですね。#今日の将棋ウォーズ pic.twitter.com/v702F6KyC7
【右玉を攻略する攻め筋】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) September 25, 2024
こちらは駒組みが概ね完了しているので、打開を考えたい場面です。方法はいくつかありますが、攻め筋が分かりやすいのは☗38角と打つ手ですね。… pic.twitter.com/goU0aGFh8H
【右玉をやっつける攻め筋】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) December 14, 2022
右玉は守備力の高い布陣ではありますが、持ち駒に歩がある場合は☗47角で筋違い角を放つのが有力な攻め筋の一つとなります。
あとは☗75歩から桂頭を狙いましょう。場合によっては☗95歩☖同歩☗92歩もあるので、この攻めは対処が難しいですね。#今日の将棋ウォーズ pic.twitter.com/vPCfv3AFIh
どの例も異なる配置ですが、自陣角を放っている側の趣旨は全て同じです。持ち歩がある状態で角を放って桂頭を狙えば、相手は非常に受けが難しくなります。
また、この攻め筋は桂頭だけでなく、☗9五歩☖同歩☗9二歩で端を攻める手も視野に入れているので、複数の攻撃手段を内包しています。それも、この自陣角が有力である理由の一つと言えるでしょう。
また、こうした角換わりを指す上で知っておくと役立つ手筋は、他にもあります。詳しくは、以下の記事で解説しておりますので、そちらも併せてご覧いただけますと幸いです。
1件のコメント
武田和浩 · 2025年5月28日 9:32 AM
大駒の捕獲まで考えた構想はなかなか難しいですが、桂頭に狙いをつけての角打ちは参考になりました🎵