どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【青野流の必修手筋】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) October 29, 2025
こちらは桂を活用したいですが、7七の桂は跳べませんし、☗45桂は☖33桂とぶつけられると、桂跳ねを無効化されてしまいます。… pic.twitter.com/XZmRswfD7v
相居飛車で後手が横歩取りを採用したとき、先手は青野流で対抗するのが最強です。ただ、青野流は飛び道具を使って技を掛ける技術が要求されるので、攻め方を知らないと優位を掴めない側面があります。
そこで今回は、青野流を指す上で知っておくと役立つ手筋をテーマに、解説を進めたいと思います。
☖3三桂のぶつけを封じる
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☖4四角と指し、角の配置を整えたところです。

青野流という戦法は、左右の桂を両方とも跳ねて中央を狙うのが方針の一つです。ゆえに、こうして早期に桂を活用する状況は、この戦型を指すと頻発します。問題は、この桂をどのタイミングで跳ねるのかということですね。
こちらとしては、直ちに☗4五桂と跳ねて攻めが繋がるなら明快です。しかし、結論から述べると、これは勇み足となります。なぜなら、☖3三桂という返し技があるからです。

この反撃は、青野流を指す際に最も注意しなければいけない筋です。これで桂交換を強要されると、こちらは桂を跳ねた手が無効化されてしまい、不本意な状況に陥ります。これを喫しない形で☗4五桂と跳ねる必要がありますね。
こうした背景があるので、冒頭の局面で筆者は、一つ小技を使いました。具体的には☗2二歩と叩きます。これが青野流で頼りになる手筋の一つですね。

後手は桂を逃げると、と金が作られますし、金駒で取ると駒損になります。よって、被害を抑えるには☖2二同角よりありません。
そして、この利かしを入れておくと、先手は今度こそ☗4五桂と跳ねることが出来るのです。

一見、相手の角が4四から2二へ移動しただけで、先ほどと状況に大きな違いは無いように思えます。懸案の☖3三桂が気になるところですね。
ただ、この場合は☖3三桂を指すと、相手は角道が止まってしまいます。ゆえに、こちらは桂取りを無視して☗6五桂で技を掛けることが出来るのです。

ここで☖4五桂だと、☗2二角成で駒得になるので万々歳ですね。しかし、相手は桂が取れないと中央に殺到されてしまうので、適切な対処がありません。ゆえに、これは先手が優勢になっています。

後手としては、角の配置が良くないので、ここでは☖4四角と上がるのが一案です。角道を通し続けておけば、☗6五桂には☖8八角成があるので致命傷は負いません。
ただ、ここで☖4四角には☗5三桂成☖同角☗6五桂という攻め方があるので、これも先手は技を掛けることが出来ます。

ここで☖4四角には☗同角☖同歩☗5三角☖7二玉☗3一角成で突破できます。また、4四以外の場所に角が逃げた場合は、☗1一角成で香を取れば良いでしょう。上図も二枚の桂を中央へ使って攻める展開になったので、先手は作戦の趣旨を通していますね。
こうして一連の進行を見ると、こちらは☗2二歩を打ったことで、二枚の桂が跳びやすくなったことが読み取れます。

青野流は桂をピョンピョン跳んでいく戦法ではありますが、だからといって、いたずらに跳べば良いという訳ではありません。特に、☗4五桂と跳んだときに☖3三桂の返し技を食わないようにすることが急所です。これを回避する際に☗2二歩と叩く筋は効果的な手になるケースが多いので、意識して頂ければ幸いです。
敵の大駒は要所から動かす
繰り返しになりますが、今回の題材では☖3三桂の返し技を回避することが話の肝でした。ゆえに筆者は☗2二歩と指したのですが、この手を選んだ背景には、別の理由もあったのです。
それは、「敵の大駒は要所から動かす」ということですね。

改めて、冒頭の局面を提示します。先述したように上図は後手が☖4四角と指したところですが、この角のポジションは、実は非常に良いのです。
つまり、ここに居ると☗4五桂が角取りにならないですし、次に☖3三桂と跳びやすくもなります。加えて、5三の地点を補強していることや、☗3五飛と引く手を防止する効果もありますね。まさに八面六臂の活躍をしており、すこぶる機能していることが読み取れます。
こうした要所にいる敵の大駒は、非常に強い力を発しています。ゆえに、こうした駒は動かすだけでも戦力の低下が望めます。ゆえに、☗2二歩と打つ手が効果的になるのですね。この理屈は他の戦型でも応用できるので、これも併せて覚えておくと良いでしょう。
また、こうした知っておくと役立つ将棋の知識やテクニックは、私のブログや note にもふんだんに記載しております。こちらもご覧いただけますと幸いです。
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