どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【寄せの導入は歩を突き捨てよ】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) October 31, 2025
相手の美濃囲いを、どのように寄せるのかという場面。自由度が高い局面ですが、最も急所を突いているのは☗55歩ですね。… pic.twitter.com/GigSK8WkWz
将棋は終盤戦が近づくと、相手の囲いを崩す算段をつけることが必要です。ただ、そのとき相手の囲いが傷ひとつない状態だと、攻略の糸口が見えにくいケースもあるでしょう。
そこで今回は、どんなことを意識すれば囲いを崩しやすい状況が作れるのか? ということをテーマにして、解説したいと思います。
歩を突き捨てて攻め筋を増やす
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。下図は相手が☖2九飛成と指し、飛車を活用したところです。

この局面は、こちらが駒得しており、囲いの堅さも優位を誇っています。ゆえに、形勢は居飛車がはっきり優勢です。このアドバンテージを活かし、どのように相手の囲いを攻略するかが、こちらのテーマですね。
寄せのセオリーの一つに、「金を狙う」手法が挙げられます。それを踏まえると、上図では☗4一銀と打つ手を考えた方もいらっしゃるかもしれません。この場合、☖5一金引☗3二銀成☖5三角という進行が予想されます。

これはこれで悪くはないのですが、スムーズに金を剥がせている訳ではないので、敵陣にダメージを与えているとは言えません。元の形勢が良いので上図でもリードは残っていますが、もう少し効率の良い攻め方を選びたいですね。
そうした背景があったので、冒頭の局面で筆者はもう少し工夫することにしました。具体的には、☗5五歩と突き捨てます。これが最も急所を突いていますね。

傍目には、ぼんやりしていて厳しさに欠けるように思えるかもしれません。けれども、こちらは自玉が安泰なので、ゆっくりした攻めでも十分に間に合います。ゆえに、こうして力を溜める指し方のほうが効果的なのです。
この突き捨てを☖同歩だと、☗5四香で金を狙えます。上図で相手は守備力を高めるために、☖5三角☗5四歩☖1七角成で馬を作るのが一案です。ただ、こちらは焦らず☗5六香と打っておけば、攻めが分かりやすい形になりますね。

これは次に☗5三歩成☖同金☗6二銀という攻めを狙っています。3手目の☗6二銀が大事なところで、代えて☗5三香成☖同馬でも悪くないものの、馬を引き付けさせるので粘りを与えます。6一の金を剥がしてしまえば美濃囲いは耐久力がガタ落ちするので、それを最短で狙うほうが急所を突いています。
とはいえ、上図で相手は☗5三歩成を防ぐ術が無いので、すでに受けに窮しています。この局面は敵の囲いの金を確実に剥がせる状況になっているので、居飛車がリードを拡大していると言えるでしょう。
こうして一連の進行を見ると、☗5五歩と突いたことでこちらは攻め筋が増え、敵陣を攻略しやすくなったことが分かります。

敵の囲いを崩す際には、当然ながら攻め筋を作ることが必須です。問題はどう攻め筋を増やすかですが、「突き捨ての歩」を使うことは、非常に効果が高いです。歩を突き捨てると「垂れ歩」や「叩きの歩」などの手筋が発動できる含みが生じますし、空間を作ることで持ち駒を打つ隙を発生させる効果もあるからです。これは非常に汎用性が高いテクニックなので、寄せの導入部分では是非とも意識してみてください。
攻めは小さい駒を優先的に使う
繰り返しになりますが、今回の題材では「歩を突き捨てて攻め筋を増やす」ことが話の肝でした。ゆえに筆者は☗5五歩と指したのですが、この手を選んだ背景には、別の理由もあったのです。
それは、「攻めは小さい駒から優先的に使う」ということですね。

改めて、失敗例の局面を提示します。この変化は持ち駒の銀を真っ先に使っていますが、その打った銀が3二に残っているので、効率の悪い攻め方になっています。価値の高い駒(大きい駒)を使って攻めるのは威力が高いようでも、空振りに終わると投資が激しく損になりやすい側面があります。

一方、成功例の☗5五歩は、歩という最も小さい駒を使っているので、リソースの負荷としては最小です。こうした攻め方のほうがリスクを抑制しやすい点がありますし、価値の高い駒(この場合は持ち駒の銀)を温存することで、攻撃力の高さを持続しているメリットもあります。
要するに、価値の高い駒は決め手を放つ際に使えば良いのであり、寄せの導入部分においては、まだそれを使う段階ではありません。ゆえに、その状況下では小さい駒を優先的に使って攻めるほうが得策なのです。こうした点も併せて意識しておくと、寄せの導入部分で攻めあぐねるケースが減ってくるかと思います。
また、こうした囲いを崩す導入部分で心掛けると良いことは、他にもあります。よろしければ、以下の記事も併せてご覧いただけますと幸いです。
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