どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【自陣の安定感を高める必修手筋】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) February 3, 2026
相手が角を打ち込んだところ。この手は次に☖27香が狙いの一つで、こちらはそれを防ぐ必要があります。… pic.twitter.com/OdrHVkIy0O
将棋を指していると、ときに相手の攻めをいかにして凌ぐのか? という場面に直面することもありますね。ただ、受けはどうしても攻めに比べると成功形が見えにくいので、何を指針にして受けの手を選べば良いのかが分かりにくい性質があります。
そこで今回は、受けに回る際の重要な指針をテーマして、解説を進めたいと思います。
守りの金を質駒にしない
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。下図は相手が☖8九角と指し、こちらの金を狙ったところです。

こちらは銀香交換で駒得しており、駒の効率も悪いところがないので形勢は優位を得ています。ただ、敵の攻め駒が自陣に侵入しているので、上手く安全を確保しないと手痛いダメージを負いかねません。ゆえに、ここは敵の攻めに備えた手が必要です。

相手は次に☖2七香から駒損を回復しようとしています。この攻めは7八の金が不安定であることに着目しているので、そこに利きを増やせば対処可能です。例えば☗6八玉が一案ですね。
しかし、こう指すと☖9七成香で力を溜められたとき、やや安定感に欠けるきらいがあります。

これは次に☖9八角成→☖8七成香という要領で、金を剥がす手を狙っています。また、場合によっては☖7八角成と切り飛ばし、強引に玉を7筋方面へ引きずり出す手も視野に入れています。
上図はまだ致命傷を負ってはいませんが、自ら玉が敵の攻め駒に近づいたことがネックです。ゆえに、受けに一手を投資しても、そこまで自玉の安全度が上がっていないのです。そこが不満を感じる部分ですね。
こうした背景があるので、冒頭の局面で筆者は別の手を選びました。具体的には、☗6八金と寄ります。これが安定感の高い受けですね。

これは、7八の金が質駒にならないことに重きを置いています。なお、こう指すと8筋がガラ空きになるようですが、8六の地点は銀が利いているので飛車に侵入される恐れはありません。
加えて、こちらは右辺が安全なので、守備駒をどんどんそちらに向かって動かすほうが得策という側面もあります。

ここで☖8六歩☗同歩☖7四歩には、☗9一角で対処できます。ここに角を打てば後手は飛車を守るために横へ動かすしかないので、先手は8筋から竜を作られる展開にはなりません。
そうなると上図では☖8八成香と迫るくらいですが、これそのものは厳しい狙いがないので、こちらは☗6五桂で反撃の準備を進めておきましょう。

7八の地点は数的不利になっていないので、相手はそこに成香を寄ることは出来ません。仕方が無いので☖8七成香と活用するくらいです。
ただ、ここで一手ロスしてもらえれば、☗4八玉と右辺へ早逃げしやすいですね。以下、☖7八成香には自然に☗5八金寄で問題ありません。

こうなると、自玉周辺に金銀が三枚くっつき、堅い配置になりました。上図で相手は☖7七成香と迫るくらいですが、☗9一角☖5二飛☗7三桂成と地道に攻めれば優位を維持できます。この進行は、こちらだけ相手の飛車を攻撃できるので、旗色の良い攻め合いになっていますね。
こうして一連の手順を見ると、こちらは☗6八金と寄ったことで、自玉が常に安全な状態を維持できていることが読み取れます。

金という駒は、受けの要です。ゆえに、これをどう扱うかは自玉の安全度に直結します。基本的には、この駒が質駒になってしまうと自玉の堅さが担保できないので、なるべく質に入らないような受け方を選ぶのが鉄則です。これを行うと耐久性の高い玉型を作ることに繋がるので、ぜひ意識してみてください。
相手の大駒を空振りにさせる
繰り返しになりますが、今回の題材では、守りの金を質駒にしないことが話の肝でした。ゆえに筆者は☗6八金と指したのですが、この手を選んだ背景には、別の理由もあったのです。
それは、「相手の大駒を空振りにさせる」ということですね。

改めて、失敗例の局面を提示します。この局面は先述したように、いつでも☖7八角成と切ることが出来る状況です。こうした配置は、8九の角が「遊び駒」として盤上に残る可能性がまずありません。つまり、相手は大駒がきちんと機能する展開になるので、効率が悪化しないことを意味します。こちらとしては、それは面白い要素ではないでしょう。

逆に成功例のほうは、8九の角が重たい配置になっており、運用するまでに多くの時間が掛かります。ここから☖7七成香→☖6七成香→☖5八成香と三手費やしても、まだ8九の角は先手玉に迫れないので働きの悪い駒になっています。
このように、敵の大駒を空振りにさせる受け方を選ぶと、自玉の安全度が飛躍的に上がります。目先の駒の損得ではなく、こうした観点で受けの手を判断すると、良い状況を作ることに繋がるかと思います。
また、こうした受けに回るときに意識しておきたいことは、他にもあります。詳しくは、以下の記事で解説しておりますので、そちらも併せてご覧いただけますと幸いです。
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