前回の▲88銀と打った局面について考えてみます。まずその図を再掲します。

実戦で筆者が指した手ですが、一応手の意味としては、一旦自玉を安全にして、竜が8筋からそれると▲83桂の1手詰みがあるのを狙った手ということになります。また、ここで竜を逃げる(引く)ような手では、▲83歩などが間に合って先手勝ちと言えそうです。

しかし、ここで後手に好手があります。

実はこの局面の解析結果では、後手が勝ち、または優勢になると思える手は複数示されたのですが、その中で最も分かりやすいと思える手が、△73桂打です。(下図)

竜取りを放置してこれが絶好の一手、前回先手玉をZ(絶対に詰まない形)にしたのと同様、後手玉もこれでZの形になります。

ここは先手も▲87銀と取るくらいと思えますが、そこでZを生かして攻め込みます。具体的には△88歩が急所の一手。

以下▲同金なら△79銀のような要領で、Zを生かして詰めろが続けば後手が勝てる状況になっています。35の角が良くきいています。

先手玉の詰み手順も少し長いのですが、このときに先に打った△73桂がよくきいていて、先手玉が86に逃げたときに85で押さえられるのが大きいです。つまり、先の△73桂打は攻防手であったと言えるのです。

前回と今回は、Zの形を作って攻めに専念できる形を作るのがテーマでした。

カテゴリー: ブログ

0件のコメント

コメントを残す

アバタープレースホルダー

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です