実戦研究4(続)

投稿者: 北口要 投稿日:

前回の将棋についてです。(研究会より、後手が筆者)

まず1つめ、中盤戦の局面より、図面を再掲します。(後手番)

この局面を解析した結果は、最善は△67銀と飛車取りに打つ手ということです。
これには飛車を横に逃げるしかないと思われますが、例えば▲66飛には△78銀成として、さらに角取りになります。
この角も取らせるわけにはいかないですが、▲95角と飛車取りに逃げても△94飛でいったん逆先になります。そこでいったん▲96歩のような手が必要そうで、先手は飛車・角をさばくのが容易ではなさそうです。

そして78の成銀は遊んでいるように見えて、先手からの攻めが来なかった場合、次に△89成銀~△99成銀のように桂・香を拾う手が間に合ってきます。これが67に銀を打った真の狙いというべきで、取った桂香は玉頭方面で使えるため、価値の高い駒になっています。(特に現状は先手が歩切れのため、香車の価値がかなり高いと言えます)

実はこの△67銀は、感想戦で相手の方に指摘された手です。筆者も見えてはいたのですが、成銀を作ったあと先手に手を作られないかどうかについて見通しが立たず、さばかれてしまうと成銀が単なる遊び駒になる可能性が高いため、指しきれずに断念した経緯があり、相手の大局観の明るさに感心しました。

これを逃がして徐々に混戦になり、先手に形勢が傾いて迎えた終盤の2つめの局面、これも再掲します。(先手番)

ここではお互いと金などで攻めあう形になっており、もうどちらの攻めも切れることはないため、どちらの攻めが速いかの勝負です。

このような局面では、穴熊が手数計算がしやすいとよく言われます。そこで、まず先手玉があと何手で詰まされるかを考えてみます。仮に上図が後手番だとすると、△28と、と銀の方を取る手があります。これを▲同金と取ると、△39銀とかけてきます。

これは一見詰めろでないように見えるかも知れませんが、次に△28銀成、▲同玉のあと、△38金、▲同玉、△56馬と55の馬が使えるため、以下詰みになります。また△39銀に▲38金とかわしても、△48成香とした手が、似たような手順での詰めろになります(△48成香に▲42ととした場合、△28金、▲同金、△同銀成、▲同玉、△38成香、▲同玉、△56馬、▲49玉に△48金(下図)と捨てるのが好手で、以下詰みになります)
このような詰み手順があるので、△48成香以下は一手一手と言えそうです。

また、最初の△28とに▲同玉としても、△47歩成が手堅い一手です。

これが先ほどと似た手順の詰めろとなるため、やはり一手一手かと思われます。(△38金、▲19玉、△28銀、▲同金、△同金、▲同玉、△38と、▲同玉、△56馬以下)

ということで、最初の図は先手玉は2手スキ(次に詰めろがかかる形)ということが分かります。このような場合、先手が勝つには後手に詰めろをかける必要があります。

しかし最初の図から▲42と、としても、後手玉は詰めろにはなっていません。(次の▲32とに△13玉とかわせるため)

そこで、最初の図で▲38同金と手を戻す手をまず考えます。これによって、先手に2手スキが続かなくなれば、速度関係が逆転する可能性が出てきます。

しかし、▲38同金には△47歩成とされ、やはり2手スキに変わりはありません。

次に△38ととされると詰めろですし(手順は先ほどとほぼ同様)、▲39金と一回逃げても△48成香として、次の△39成香がまた詰めろ、という要領です。これは、前述した(▲38同金とせずと金を放置した)順に比べ、より後手の攻めが手厚くなっている印象を受けます。

では最初の図は、先手が負けか?と思えますが、そうではなく、実は▲38同金ではなく▲42と、として先手が勝ちになるようです。実戦もそのように進みました。

先ほどの考察より、これは一見先手が一手負けに見えます。すなわち、以下△28と、▲同金に△39銀とした手が詰めろで、△39銀に▲32ととしても△13玉で後手玉は詰みません。
しかし、実は先手がと金で金を(2枚)取ったのがポイントです。金が持ち駒に入ると、この図から▲38金打とする受けが利きます。
これに対しては、後手が△48成香としても詰めろにはなりません。(△28銀成▲同金の次、王手がかからない)また、△28銀成としても、▲同金のときに39に打つ銀や角がないため、有効な詰めろがかかりません。

つまり、最初の図の先手玉は2手スキでしたが、金が入ると一手延びるため、▲42と、と攻めあいながら、金を入手しておくのが正解だったということです。

実戦は、これを踏まえて後手が△28と、▲同金の後、いったん△42同銀と手を戻しましたが、▲42同馬以下、難解ながら先手勝ちの局面になりました。

カテゴリー: ブログ研究会

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