どうも、あらきっぺです。

今回の題材は、こちら。

基本的に将棋は、序盤は駒組みを、終盤は寄せを行うので、それらの領域で方針に迷うことはあまり多くないかと思います。けれども、中盤に関しては漠然とした局面に直面しやすく、方針の定め方が難しいことが多々ありますね。

そこで今回は、そういったシチュエーションを乗り切る方法をテーマにして、解説を進めたいと思います。

目標物を作れ!

改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☖2二玉と上がり、玉型を整えたところです。

将棋 中盤 戦い方

この局面は、お互いに囲いの構築が完了しており、いよいよ中盤戦が本格的に始まろうとしているところです。こちらは守りに関しては申し分ないので、攻めることを考えたいですね。

しかし、現状では敵陣を攻める態勢は整っていませんし、2九の桂も活用できません。それゆえ、具体的に指す手が見えにくい印象を受けるのではないでしょうか。

将棋 中盤 戦い方

こうした「やりたいことはあるんだけど、具体的にどうすれば良いのか分からない」という状況が、将棋を指していて難しい部分ですね。

ただ、実を言うと、これに関してはあることを意識すれば、かなり方針をクリアにすることが出来るのです。それは、「目標物を作る」ということですね。

将棋 中盤 戦い方

少し話が逸れますが、人は何かしらの夢や目標があれば、それに向かって邁進できるでしょう。将棋の中盤戦もそれと同じで、「特定の駒をターゲットにする」と、それを狙い続ければ良いので、やるべきことが分かりやすくなります。これが目標物を作るということです。

将棋 中盤 戦い方

では、どの駒を目標物にするかですが、これは「攻撃しやすい駒」にするのが最適です。攻撃しやすい駒とは、角や桂のような明確な弱点を有していたり、自陣の近くにいてアタックしやすい駒が挙げられます。冒頭の局面だと、4六の銀は自陣の近くにいるので、目標物にしやすい駒と言えます。

そうした背景があったので、筆者はこの銀を狙うことに全力を注ぐことにしました。手始めに、☗3六歩と突きます。これが相手の銀に最もプレッシャーを掛けていますね。

将棋 中盤 戦い方

もし、上図で後手が☖4三金右のように自陣を整備すると、先手は☗5六歩と突きましょう。

こうなると、典型的な銀挟みが成功した形となりましたね。

将棋 中盤 戦い方

次は、もちろん☗4七歩です、しかし、後手はそれが分かっていても防ぐ手段が見当たりません。☖3九角で暴れてきても、☗2七飛と受ければ受かっています。

この変化を踏まえると、後手は☗3六歩と突かれた局面で、4六の銀を救助する手立てを考えなければいけません。案としては☖5五銀と撤退する手がありますが、これには☗3七角と打つ手が絶好です。

将棋 中盤 戦い方

先程とは銀を取りに行く方法が違いますが、やはりあの銀を目標にするという方針を貫くことが肝要です。また、この角打ちは銀だけでなく、8二の飛も目標にしていますね。

上図で☖5四歩には、☗5六歩☖6四銀☗6五歩と進めれば駒得になります。かと言って、他に有効な手段も見当たりません。つまり、上図は先手の技が掛かっている形です。

こうしてみると、目標部を作り、それを徹底的に狙う戦術の有効性がよく分かりますね。

将棋 中盤 戦い方

このように、中盤戦で何をするべきか分からなくなった場合は、目標物を作ることを意識してみてください。そして、一度目標物を定めたら、徹頭徹尾、その駒を狙い続けましょう。この考え方は幅広い場面で役に立つので、困った際には、ぜひお試しください。

言語化によって選択を絞る

将棋 中盤 戦い方

繰り返しになりますが、今回の題材では「目標物を作る」ことが重要な部分でした。この方針に倣うと、急に指すべき手が見えやすくなった印象を受けるのではないでしょうか。

このように、将棋で指す手に迷った際には、言語化によって方針を定めるのは一つの策と言えます。今回の例のように、「4六の銀を目標にする」「だから、その銀を取りに行く」という要領で方針を言語化すれば、必然的に手段が絞られるので指すべき手が見えやすくなります。第一感の指し手がしっくりこない場合は、こうしたアプローチで読みを深めてみてください。

また、こうした中盤戦を上手く乗り切るためのテクニックは、他にも様々な種類があります。詳しくは、拙著「盤上のシナリオ」に記載しておりますので、そちらも併せてご覧いただけますと幸いです。

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1件のコメント

武田和浩 · 2024年3月29日 10:15 PM

浮き駒を狙えと聞いたことを思い出しました🎵

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