どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【右玉系の布陣を攻略する攻め筋】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) November 13, 2025
相手は隙の少ない布陣を作って待機しています。ただ、こうした局面になれば☖75歩と突き捨てることで、攻略が可能です。… pic.twitter.com/zW2NnpXnw7
右玉という戦法は隙が少なく守備力が高いので、これを相手にした際にはきちんとした打開策を用意しておくことが大事です。今回は、右玉を攻略する上で役に立つ攻め筋を解説したいと思います。
桂頭を目標にする
改めて、上記ツイートを始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗9六歩と指し、陣形を整えたところです。

この局面は、こちらは無条件で飛車先の歩が交換できており、かつ囲いも堅固に組めています。ゆえに作戦勝ちではあるのですが、このまま指をくわえていると☗8九飛→☗8六歩からじわじわと状況が悪化します。そのため、そろそろ仕掛けを考えたいところですね。
結論から述べると、ここは☖7五歩と突っ掛けるのが急所を突いた一着になります。

いきなり歩を突き捨てるのでフライングのような印象を受けるかもしれません。ただ、これが持ち歩を活かした攻撃で、意外にも攻めが繋がってしまうのです。
相手は素直に指すなら☗同歩ですね。対して、こちらは☖9四角と設置します。代えて5四に角を設置する手もありますが、この場合は端に打つほうが威力が高いですね。

これは表向きには☖7六歩で桂を取る手を狙っていますが、真の狙いは☖6七角成です。☗同金なら飛車が成れますし、☗同玉なら☖3八銀が痛烈です。この狙いがあるので、相手は☗9五歩で角を追う手は指せません。
上図で☖6七角成と☖7六歩を同時に防ぐには、☗7六角と打つくらいです。ただ、これには☖同角☗同銀☖3五歩で、もう片方の桂頭を狙う手が厳しい攻めになります。

なお、この☖3五歩は端角を打つ前に実行することも出来ました。しかし、[☖9四角☗7六角☖同角☗同銀]という応酬を踏んでから実行するほうが、敵の銀を離れさせているので条件が良いですね。これを☗同歩だと☖3六歩☗同金☖5四角が金銀両取りです。
上図で相手が☖5四角の筋を嫌うなら、☗5五歩と伸ばすくらいです。しかし、この歩を突かせれば争点が増えるので、☖3六歩☗同金☖5四歩で反発していけば問題ないでしょう。

これを☗同歩だと、☖5六歩☗同銀☖3八角といった攻め筋があります。上図は駒の損得はありませんが、金銀の連結力には甚だしい差がついています。こうなると相手は収拾困難なので、形勢はこちらが有利ですね。
こうして一連の進行を見ると、こちらは☖7五歩や☖3五歩などで敵の桂頭を目標にしたことが、非常に効果の高い攻め筋であったことが読み取れます。

右玉系の布陣は、下段飛車に構えるために必ず右桂を跳ぶことになります。ゆえに、攻め側は桂頭をターゲットにして仕掛けを狙うのが打開策の一つになります。特に、上図のように左右両方の桂頭を狙う展開に持ち込めると攻め筋がぐっと増えるので、こうした状況が理想像の一つと言えます。
筋違い角を設置することを念頭に置く
先述したように、対右玉においては、相手の桂頭を狙うのが有力な指針の一つです。そして、それを踏まえると、自ずと駒組みの形も決まってくる側面があります。
具体的には、筋違い角を打つことを念頭に置いて駒組みを進めるのが良いですね。

具体的には、上図で示した丸印の場所に角を打つことを想定するのが大事です。特に、5四の地点に打つことを考えるのが重要です。この場所に打てば左右両方の桂頭を狙えますし、場合によっては☖7五歩☗同歩☖8七角成や、☖3五歩☗同歩☖1五歩☗同歩☖1八歩など、他の攻め筋を実行することも可能です。これらの攻め筋を見据えて駒組みを行えば、打開のプランが明確になるのではないでしょうか。
また、こうした右玉を攻略する構想は、他にもあります。詳しくは、以下の記事で解説しておりますので、そちらも併せてご覧いただけますと幸いです。
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