どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【対角交換振り飛車の打開法】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) December 3, 2023
こうした将棋は漫然と指すと千日手模様になるので、居飛車は何らかの打開策が必要です。… pic.twitter.com/byy8MiybqO
角交換振り飛車という戦型は、歩がぶつかりにくい性質があるので仕掛けの手段が難しい戦型です。なので、これを相手にしたとき、「どうやって打開すれば良いのかな……?」と悩まれている方は少なくないのではないでしょうか? そこで今回は、この戦型特有の打開法をテーマに、解説を進めたいと思います。
自陣角を有効に使う
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☖8四歩と指し、囲いの整備を進めたところです。
こちらは銀冠を作っており、囲いに関しては、ほぼ完成形と言える格好です。そうなると攻めの手段を考えたいですが、右辺から攻める手段は難しいですね。攻めの銀桂は前進しにくいですし、☗4六歩と突っ掛けるのも抵抗を感じるところです。
なので仕掛ける方法が見当たらないようですが、上図のように振り飛車の玉のコビンが開いている場合、あることを行うと簡単に打開することが出来ます。
具体的には、☗3七角で自陣角を放つのが好手ですね。
これはもちろん、☗6四角で歩を取ることが狙いです。それを防ぐだけなら☖6三金で事足りますが、それには☗6五歩が厳しいですね。次の☗6四歩は痛烈ですし、居飛車は持ち歩を入手すれば☗3五歩から桂頭を攻める手も視野に入ります。
振り飛車が☗6五歩の筋を嫌うのであれば、☗3七角に☖7三銀が一案です。しかし、この場合は☗8五歩が調子のよい攻めとなりますね。
☖同歩☗同桂と進むと、6四に角を飛び出せる格好になるので攻めがヒットします。それを回避するなら☖6三金ですが、☗8四歩☖同銀☗6五歩と進めれば、やはりコビン攻めが実行できる状況が作れますね。
振り飛車は☖7三角が最も抵抗力のある受けですが、☗5五歩☖4三銀☗6四歩☖同角☗6五歩☖7三角☗6六銀という要領で押し込んで行けば問題ありません。居飛車は自分だけ位を確保していますし、陣形の安定感も大いに勝っています。ゆえに、はっきり優勢ですね。
こうした進行を見ると、☗3七角の威力がまざまざとお分かり頂けるでしょう。
冒頭の局面では仕掛けが難しく思えましたが、☗3七角を打ってみると、思いの外、攻めがスムーズに進みました。居飛車はこの角を打ったことで、☗6五歩や☗8五歩などで玉側から戦いを起こせるようになったことが大きいですね。そうなると、自分だけ銀冠に組めている分、居飛車は旗色の良い戦いに持ち込めます。要するに、この角は玉頭戦に持ち込むための先行投資だったという訳ですね。
対角交換振り飛車において、この場所に角を据えて玉側から戦いを起こすのは、汎用性の高い仕掛け方です。これが発動できるかどうかを念頭において駒組みを進めることは、大いに重要ですね。
振り飛車は左桂の活用を重視せよ
上記で述べたように、☗3七角の自陣角はすこぶる強力です。振り飛車としては、それを打たれない駒組みを行う方が賢明ですね。
それを踏まえると、以下のような駒組みを行う方が、振り飛車は安全です。
冒頭の局面と比較すると、振り飛車は☖4五歩を保留して☖7三桂を優先しています。こうして早めにコビンを閉じておいたり、☖4五桂や☖4五銀の筋を用意しておけば、☗3七角を牽制することが出来ますね。
特に、後者の要素が重要です。基本的に振り飛車は、攻め側の桂が使いにくいところがあります。しかし、角交換振り飛車は手軽に桂が活用しやすいので、その懸念が解消しやすい性質があります。ならば、そのメリットを活かさない手はありません。角交換振り飛車を指す際には、この駒が使いやすい配置を作ることが大事ですね。
また、こうした対抗型特有の知識や概念は、拙著「現代振り飛車の絶望、そして希望」にもふんだんに記載しております。こちらもご覧いただけますと幸いです。
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2件のコメント
あ · 2023年12月8日 3:48 PM
向飛車に37桂保留したまま駒組するの、25桂の筋が気になって怖くなっっちゃう
武田和浩 · 2023年12月8日 6:59 PM
角道の攻めは止めにくいですね❗️
だから、角道の攻めが予想される時は前もって考えておく必要があるということですね🎵納得です!💫