どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【居飛車穴熊の必修手筋】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) March 8, 2024
こちらは4筋が受からないので、攻めに転じる必要があります。ここは☗75歩が急所の一着ですね。
☖同歩には☗74歩で形を乱しにいきます。☖同金でも☖85桂でも、☗45桂と跳びましょう。最終図は敵陣を弱体化させた効果が大きく、居飛車有利の中盤です。… pic.twitter.com/e0q9lpHbxQ
対抗型において居飛車穴熊は非常に有力な戦法です。ただ、これに組むと金銀は受けに使うことになるので、細い攻めを繋ぐ技術が求められることになります。
そこで今回は、穴熊に組んだ際、有効になりやすい攻めの手筋をテーマに、解説を進めたいと思います。
相手が高美濃なら、☗7五歩と突き捨てろ
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☖3五銀と指し、3・4筋を攻めてきたところです。
こうした局面は、[四間飛車 vs 居飛車穴熊]という戦型において、よく見かける構図ですね。こちらは玉の堅さでは勝っているので、そのアドバンテージを活かしたいところです。
なお、上図で相手は、次に☖3六歩で桂を攻めるのが狙い筋の一つです。ゆえに、それを先受けする意味で☗4五桂と跳ねておくのは自然ですね。ただ、欲を言えば、この☗4五桂は、もっと条件の良い形で跳びたいのです。というのも、現状では次に明快な狙いに欠ける嫌いがあり、やや手緩い感があるからです。
では、☗4五桂を効果的にするためには、どんなことが必要になるでしょうか? 例えば、桂を跳んだとき、次に☗5三桂成と成り込む狙いがあれば、桂跳ねの威力は向上しますね。
そうした背景があるので、筆者は☗7五歩と突き捨てました。これが、居飛車穴熊において頻出する攻めの手筋になります。
こちらは3・4筋を全く受けていませんが、☖3六歩なら☗4五桂で、先程よりも条件の良い形で桂が跳べることになります。これは火に油を注いでいる格好なので、振り飛車は選べません。
また、上図では☖4六飛という攻め方もありますが、それには☗5七金が絶好の受け。以下、①☖4四飛には☗2二角。②☖4二飛には☗4三歩☖同飛☗3二角。いずれも、駒得になることが期待できますね。
ゆえに、振り飛車としては、☖7五同歩と相手をするのが自然です。対して、こちらは☗7四歩と叩きましょう。☖同金には☗4五桂と跳べば、こちらは自身の目的が達成されています。
ゆえに、本譜は☗7四歩に☖8五桂とかわして来ましたが、これにも☗4五桂と跳んでおきます。
この局面は、次に桂を成り込むことは出来ません。しかしながら、居飛車は7四に拠点を設置できたことを評価しています。こうした拠点は確実に敵玉へのプレッシャーになるので、居飛車は敵陣を攻めながら攻め駒を増やすことが出来ているのです。
ここからは、この7四の拠点を活かした攻めを模索することになります。
なお、☗4五桂と指すと、☖4六銀で桂を取りに来る手が気になるかもしれません。確かに、この桂取りは防ぎにくいですね。
しかし、結論から言えば心配無用です。具体的には、☗4八飛☖6七角成☗同銀☖4五飛☗3四角と切り返すのが用意の手順になります。
これには☖4四飛と逃げるのが妥当ですが、☗6一角成☖同銀☗5三角が狙い澄ました一撃。これが7筋の拠点を最大限に活かした強襲です。
上図の局面は、攻め駒が[4八の飛・3四の角・7四の歩・持ち駒の角]と四枚揃っています。ゆえに、こうしてスパートを掛けることが出来るのですね。
これには☖同金と応じるのが妥当ですが、☗4六飛☖同飛☗7三金☖8一玉☗8二銀☖9二玉☗9五歩と畳み掛けましょう。こうなると、一気呵成の寄せが決まった格好です。
これは☗9三銀成☖同玉☗9四歩からの詰めろになっています。しかし、それを受けても☗9四歩と取り込めば受け無しになるので、後手は手段に窮していますね。よって、上図は居飛車勝勢です。
こうした一連の手順を見ると、始めに[☗7五歩☖同歩☗7四歩]と7筋に着手した効果が存分に出ていることが読み取れますね。
こうした金銀を全て囲いにくっつけている穴熊は、必然的に[飛角桂歩]で攻めを繋ぐことになります。特に鍵を握るのが歩の使い方で、これを上手く四枚目の攻め駒として機能させることが大事です。
そして、振り飛車の囲いが高美濃であれば、上図のように☗7五歩と突っ掛ける攻め筋が非常に効果的になります。これを使うと相手の囲いを弱体化させたり、7筋に拠点を設置しやすくなるので、是非とも銘記しておきましょう。
反動を気にしなくて良いのが穴熊の強み
なお、こうした☗7五歩と突き捨てるのは、囲いの歩を捨てているので些か粗っぽい指し方であることは確かです。しかし、自身の囲いが穴熊であれば、囲いの歩を失うことを気に病む必要はありません。
穴熊にとって真に本丸と呼べる部分は、上図の枠で囲った部分になります。このエリアに敵の攻め駒が侵入してくると脅威が及びますが、これより外の部分であれば、あまり響きがありません。これは、玉が9九にいて、戦場から遠い位置に玉がいることに起因します。
それを踏まえると、上図の枠で囲ったエリアなら、キズがついたところで大して悪影響はないのです。逆に、相手は玉がこのエリアに近いので、響きが強いですね。だからこそ、[居飛車穴熊 vs 高美濃]という構図では、この突き捨ての効果が高いのです。要するに、穴熊側は反動を気にしなくて良いので、この攻め筋が頼りになるというわけですね。
また、こうした知っておくと役立つ将棋の知識やテクニックは、私のブログや note にもふんだんに記載しております。こちらもご覧いただけますと幸いです。
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1件のコメント
武田和浩 · 2024年3月16日 12:49 PM
7五歩が厳しい、ピッタリの攻めだということがよくわかりました🎵