どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【受けるときも攻撃的に】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) April 3, 2024
相手が桂を打ち、端攻めの準備を進めたところ。こちらは囲いを補強するなら☖82金が一案ですが、金を打つなら☖94金の方が有力ですね。… pic.twitter.com/dlty65LPd3
将棋は常に攻め続けて勝つことが出来れば理想ですが、よほどの大差にならない限りは、一局の中で受けに回らないといけない場面は訪れるとしたものです。特に、自玉に脅威が及んだときは、概ね受けが必要なものです。
そこで今回は、そうした場面で役に立つ受けの考え方をテーマにして、解説を進めたいと思います。
相手に自由な手を選ばせない
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。図は相手が☗8五桂と指し、こちらの玉に迫ってきたところです。
こちらは穴熊に囲っていますが、8二の地点に金駒がいないので、端が非常に手薄です。だからこそ、相手はここを攻めるために桂を打っています。次に☗9五香☖同香☗9三歩と迫られると一気に危うくなるので、ここは何らかの受けが必要ですね。
終盤で囲いを補強する際には、自玉の近くに金気を打つのが常套手段です。よって、ここでは☖8二金と埋める手が自然に見えます。これが第一感だった方は多かったのではないでしょうか。
ただ、この受け方だと☗1一角成で香を補充される手が少し気になります。
確かに、こちらの玉は堅くなりましたが、次に☗9八香打→☗9五香の攻めが速いので、見た目よりも安全ではない側面があります。上図は振り飛車が悪いわけではありませんが、明確な良さがある状況でもありません。
こうした背景があるので、冒頭の局面から☖8二金と受けるのは、少し物足りないところがあります。ただ、初めに述べたように自玉の安全度を高めることは必須です。
そこで、筆者は違うところに金を埋めました。具体的には、☖9四金が率の良い受け方になります。
自玉から離れた場所に金を使っていますが、これは桂取りになっていることが自慢です。もちろん、弱点である9三の地点を強化していることは言うまでもありません。
居飛車は8五の桂を取られると、端を攻めることが出来ません。つまり、上図では1一の香を補充する余裕がないことを意味します。
そうなると、ここでは☗7七桂で紐を付けるのが自然です。対して、こちらは☖1九飛成で戦力を蓄えておきましょう。以下、☗1一角成☖4四歩が進行の一例ですが、これは☖8二金と打った変化と比べると、大きな違いが生じています。
☖8二金と打った失敗例の変化との最大の違いは、☖1九飛成で香を回収する手が間に合っていること。そして、それが間に合ったのは、先手に桂取りを受けるひと手間を強要させたですね。9四から金を打ったことで、相手に☗7七桂という余分な一手を指させたことが、すこぶる大きいです。
例えば、上図で☗9八香打で足し算されても、☖9六香と被せておけば全く問題ありません。他には、☖7六桂☗9五香☖7九竜☗同玉☖5九馬で切り合って勝つプランもありますね。どちらの変化も、☗7七桂を強要させたことが光っていることが分かります。
このように、終盤で受けに回るときは、なるべく相手に自由に手を選ばれないようにしましょう。自由に手を選ばせない方法としては、駒取りを掛けて受けに回る手が一案です。そうすれば相手は対象の駒を守る必要が出てくるので、指し手を限定することが出来ます。だからこそ、☖8二金よりも☖9四金が勝るのですね。これは汎用性が高いテクニックなので、受けに回る際には意識しておくと良いでしょう。
手番を取ることが終盤戦の鉄則
繰り返しになりますが、終盤で受けに回る際には、駒取りを掛けつつ囲いを補強する方法が有効です。なぜ、こうした受け方の効果が高いかと言うと、「取り」を掛けることで手番を握りやすくなることが一番の理由と言えます。
なお、「終盤は駒の損得よりもスピード」という格言があることから、こうして「取り」を掛けても無視されることは多々あります。しかしながら、駒取りを無視するという態度は、往々にして戦力不足と隣り合わせになるので、相手にプレッシャーを与えていることは確かです。そうした突っ張った手を選んで手番を取りにいくことは終盤戦の鉄則なので、これも併せて意識すると良い判断が行えるようになるでしょう。
また、こうした終盤で受けに回る際に心掛けたことが良いことは、他にもあります。詳しくは、以下の記事で解説しておりますので、そちらも併せてご覧いただけますと幸いです。
1件のコメント
武田和浩 · 2024年4月11日 12:47 PM
攻め味を残しながら守ることは大事ですね🎵
攻防の手でしたね✨