どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【右玉で覚えておきたい攻め筋】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) December 2, 2024
こちらは後手番なので、右玉らしく待機に徹するのも一案です。ただ、ここでは☖35歩と仕掛けるのも大いに有力ですね。… pic.twitter.com/oXHHGFH0VK
右玉という作戦は、雁木が主流戦法の一つとなった現代において、一昔前よりも出現しやすい指し方になっています。それゆえ、この作戦ならではの指し方や手筋を知っておくことは、居飛車党にとって高い価値があると言えるでしょう。
そこで今回は、右玉を指すときに役立つ攻め筋をテーマにして、解説を進めたいと思います。
端を絡めて動く
改めて、上記ツイートの局面を始めから振り返ってみましょう。下図は相手が☗8八玉と指し、玉を入城させたところです。
ご覧の通り、こちらは右玉に構えています。また、自陣は駒組みが概ね完了している状態でもありますね。ゆえに、方針の岐路を迎えている局面とも言えます。
こちらは後手番ということもあり、千日手は歓迎すべき状況です。そうなると、待機策を採るのは一案ですね。具体的には、☖4二角→☖3三桂→☖7二玉のような順が挙げられます。
その場合、相手は囲いを矢倉に組み替えてくることが予想されます。
これはこれで一局の将棋であり、こちらは不満がある訳ではありません。端に位を取っていることは心強いですね。
ただ、上図でこちらは駒組みが飽和状態を迎えつつあるのに対し、相手は囲いを穴熊に発展させる余地が残っています。ゆえに、このまま指をくわえて待機していると、どんどん相手の陣形がグレードアップしていくことになります。この背景を踏まえると、もう少し違う展開を選びたいのが本音ではあります。
そういった事情があるので、冒頭の局面で筆者は、全く別のプランを選びました。具体的には、☖3五歩と突っ掛けます。これが右玉ならではの仕掛けですね。
ここで☗2六飛と浮くと、☖3四銀→☖4三金左という要領で陣形を盛り上げることが出来ます。また、☗4七銀には☖3六歩☗同銀☖4二角と進めれば、次に☖6五歩から先攻しやすくなります。いずれも、こちらは自陣の駒が前進しやすい状況になっていますね。
ゆえに、上図で先手は☗3五同歩と取るのが妥当です。対して、こちらは☖1五歩☗同歩☖同香でさらに動きましょう。これが効果の高い打開策になります。
ここまで進むと、前もって3筋の歩を突き捨てた意味が見えてきますね。なお、3筋の歩を捨てると自陣が傷んでしまうきらいはありますが、ここは自玉から離れたエリアなので、この傷を気にする必要はありません。こうした指し方を気兼ねなく出来ることが、右玉の強みの一つです。
相手は☗同香☖同角と進めてしまうと、角を捌かせる上に桂取りの処置も難しいので、収拾困難に陥ります。ゆえに☗1六歩と受けるのは妥当ですが、こちらは☖3六歩☗5九角☖1六香☗同香☖1五歩で、桂香の回収を図りましょう。この手順を踏めば、二つとも歩で召し取る形に持ち込めます。
相手としては、ここで上手く反撃できないと、桂損だけが残る格好となってしまいそうです。そうなると上図では☗3四香と攻めるのが自然ですが、☖3七歩成☗同角☖1六歩☗3三香成☖同桂と進めておきましょう。角を逃げずに堂々と桂香の回収を行うのが、好判断になります。
なお、こうした指し方が成立する背景には、右玉は角の打ち込みに強いという性質を持っていることが挙げられます。
こちらは角を失いましたが、駒の損得は[桂香⇄角]の二枚替えなので、互角以上の取引にはなっています。ここで☗6五歩と突っ掛けられる攻めは脅威ですが、☖7二桂と補強すれば、簡単には崩れません。
また、こちらは香を二枚蓄えたことで、☖8三香→☖8二香→☖8六歩という三段ロケットで攻める狙いも残っています。これが非常に強力なので、上図は右玉が面白い将棋ですね。桂香の使い道が多いので、攻防共に手段が豊富であることが大きいのです。
こうして一連の進行を見ると、1・3筋から動くこの仕掛けは、有力な指し方であることが分かります。
右玉は、ご覧のように自玉を右辺に配置します。ゆえに、左辺で被害を受けても悪影響が少なく、それは他の相居飛車の作戦とは大いに異なる性質です。これを活かさない手はないので、こうして左辺から動く手の価値は、高く評価することが肝要です。こうした感覚を意識すると、右玉を指しこなす精度が上がってくるのではないかと思います。
「隙あらば攻める」というセオリーは遵守せよ
ところで、一般的に右玉は、受けに力を発揮する作戦だと言われています。その固定観念があると、こうした積極的に動く手法は、強い違和感を覚えた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、将棋のセオリーとしては、「隙あらば攻める」という行為は至極、真っ当と言えます。また、漫然と待機していると、相手に十分な構えを作られてしまうという点は、右玉を指す上で強く意識しなければならないこととも言えます。確かに右玉は待機策を採る適性が高い作戦ですが、だからと言って、何でもかんでも待てば良いという訳ではありません。相手が隙を見せた場合は、きちんと咎めに行く姿勢で戦うことが大切です。
また、こうした知っておくと役立つ将棋の知識やテクニックは、私のブログや note にもふんだんに記載しております。こちらもご覧いただけますと幸いです。
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1件のコメント
大山 · 2025年1月1日 10:36 AM
楽しく見ています
出来れば、後手番解説の時でも
先手番の符号で解説お願いします、
76の場所が34なので頭に入りませんので!
宜しくお願い致します。