前回の出題図を再掲します。下の2つの図面(いずれも先手番)より、後手玉が詰むかどうかの考察です。
そこで、▲43角打ではなく、▲41角と捨てて追う手を考えます。
しかし、最初の▲41角を取らずに△31玉と真っすぐ引く手があります。これが問題です。
従って、1つめの局面は、後手玉は詰まない、という結論になります。
次に、2つめの局面を考えます。これは、初手はほとんど▲33歩成の1手かと思います。
よって、▲33歩成には△同金と取る手を考えます。このとき、31の歩の守備力が強いので、手段を慎重に選ぶ必要があります。
なおこの▲32飛では、▲82飛のように遠くから打って、32に打たれた合い駒を▲同飛成、と取ると合い駒の分持ち駒が増えるのでより手堅いかも知れません。また、▲32飛ではなく▲32金と捨てる手もありますが、飛車を捨てた場合と大きな差はないため、以下は▲32飛からの変化を考えていきます。
まず、▲32飛に△同玉は、▲42金と打てます。
次に、▲32飛に△同歩の場合。これは▲21金と打てば詰みます。
では、▲32飛に△同金はどうか?このとき、▲34桂が打てるようになっているのが▲32飛と捨てた効果と言えるかと思います。
一方、▲34桂に△33玉としても▲44飛成、とできます。
2つめの局面は、先手の持ち駒も豊富ですが、後手玉を35あたりにまで逃がしてしまうと、捕らえるのが容易ではなくなります。▲32飛と捨てて△同金と取らせるのは、守りの金をわざわざ玉に近づける意味もあるため、指しづらい感じがしますが、ここでは▲34桂~▲44飛成を実現させて、35などに逃がさないための好手段になっていました。
ということで、結論としては、1つめは詰まない、2つめは詰み、ということになりました。
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