どうも、あらきっぺです。
今回の題材は、こちら。
【寄せに行くときは怯まない】
— あらきっぺ (@burstlinker0828) September 19, 2024
こちらは飛車を逃げるなら☗34飛ですが、それでは攻めが一足止まるので感心しません。… pic.twitter.com/LvLjFP5jgi
将棋は、よほど中盤戦で大差にならない限り、競り合いの終盤戦を迎えることになります。今回は、そういった状況を乗り切るための考え方をテーマに、解説を進めたいと思います。
駒取りに怯まない
改めて、上記ツイートの局面を振り返ってみましょう。図は後手が☖8二飛と指し、飛車取りをかわしたところです。
この局面は、終盤戦の入口といったところです。こちらは玉の安全度では相手よりも勝っているので、そのアドバンテージを活かしたいですね。同時に、現状では7四の飛が取りになっているので、それの処置をどうするのかという問題もあります。
さて、上図で無難に指すなら☗3四飛と逃げるのが一案です。飛車は貴重な戦力なので、これが第一感だった方も多いのではないでしょうか。しかし、結論から述べると、これでは勝つことが出来ません。というのも、☖8六歩☗同歩☖3六馬と進められたときに、有効手が難しいからです。
こうされると、こちらは☗1四歩の威力が低下していますし、☖7九銀で詰めろを掛けられる手も生じています。この局面は、冒頭の局面と比べると、こちらが明らかに損をしているので、芳しくありません。
上図でこちらの形勢が悪くなった理由として、価値の乏しい手を指してしまったことが挙げられます。具体的には、☗3四飛と逃げた手です。これは飛車取りを防いではいるのですが、敵玉に迫っていたり自玉の安全度を高めた手ではないので、終盤においては価値が乏しいのです。終盤の競り合いでは、こうした手を指さないようにすることが大事です。
そうした背景があるので、冒頭の局面で筆者は飛車を逃げない手を選びました。具体的には☗1四歩で敵玉の寄せに向かうのが、終盤戦ならではの一着ですね。
後手は香を守ることは出来ないので、☖7四歩☗1三歩成と進めるよりありません。その局面は詰めろが掛かっているので、☖3一玉と早逃げするのも妥当ですね。
ただ、この進行だとこちらは、飛車を逃げることなく手番を取ることが出来ました。それを活かして☗6七香と打つのが絶好の一手。敵の種駒を攻撃しながら、寄せを進める攻防手ですね。
ここで☖5七角成には、☗2二銀☖4一玉☗6二歩成と迫れば、敵玉はほぼ受け無しになります。後手は☖8四角と引いて6二の地点を強化するほうが頑張れますが、☗6二歩成☖同角☗同香成☖同飛☗5一銀で自然に攻めていけば、玉型が大差なので、こちらが勝勢と言えるでしょう。
こうして一連の変化を見ると、こちらは飛車を逃げずに踏み込んだことで、一気に勝利を引き寄せたことが読み取れます。価値の乏しい手を一切指していないことが分かりますね。
このように、競り合いの終盤戦では駒取りに怯まない手を選ぶことが大切です。駒取りを避けるだけの手を指すと、敵玉に迫れなかったり自玉の安全を確保できない問題があるので、競り合いの中では致命的なミスになりかねません。この辺りは、序中盤と終盤で適切に思考を切り替えていくことが必要です。
攻め駒が増える攻め方は、概ね正しい
繰り返しになりますが、今回の題材では価値の乏しい手を指さないことが重要な部分でした。ゆえに筆者は飛車取りに怯まず☗1四歩と指したのですが、この手を選んだ背景には、もう一つ別の理由もあったのです。
それは、「攻めながら攻め駒を増やす」ということですね。
上図は、冒頭の局面から☗1四歩☖7四歩☗1三歩成と進んだ局面です。この応酬でこちらは飛香交換の駒損になっていますが、攻め駒の数に関しては一枚増えていることが分かります。具体的には、[飛・金・銀]から[金・銀・香・と]になった訳ですね。
基本的に、攻めは攻め駒の数が増えるほど攻撃力が上がります。ゆえに、こうして敵陣を攻めながら攻め駒が増える応酬は、攻め側にとって願ったりの進行と言えます。そうした順を積極的に選んでいけば正解を辿れることは多いので、これも併せて意識しておきたいですね。
また、こうした競り合いの終盤戦で意識すると良いことは、他にもあります。よろしければ、以下の記事も併せてご覧いただけますと幸いです。
2件のコメント
柳沢オーデン · 2024年9月26日 6:45 AM
とてもよかった❗
武田和浩 · 2024年9月26日 7:04 AM
攻め駒を増やす❗️敵陣に迫っている感じがしますね🎵