前回の将棋についてです。(研究会より、後手が筆者)
まず1つめ、中盤戦の局面より、図面を再掲します。(後手番)
そして78の成銀は遊んでいるように見えて、先手からの攻めが来なかった場合、次に△89成銀~△99成銀のように桂・香を拾う手が間に合ってきます。これが67に銀を打った真の狙いというべきで、取った桂香は玉頭方面で使えるため、価値の高い駒になっています。(特に現状は先手が歩切れのため、香車の価値がかなり高いと言えます)
実はこの△67銀は、感想戦で相手の方に指摘された手です。筆者も見えてはいたのですが、成銀を作ったあと先手に手を作られないかどうかについて見通しが立たず、さばかれてしまうと成銀が単なる遊び駒になる可能性が高いため、指しきれずに断念した経緯があり、相手の大局観の明るさに感心しました。
これを逃がして徐々に混戦になり、先手に形勢が傾いて迎えた終盤の2つめの局面、これも再掲します。(先手番)
このような局面では、穴熊が手数計算がしやすいとよく言われます。そこで、まず先手玉があと何手で詰まされるかを考えてみます。仮に上図が後手番だとすると、△28と、と銀の方を取る手があります。これを▲同金と取ると、△39銀とかけてきます。
また、最初の△28とに▲同玉としても、△47歩成が手堅い一手です。
ということで、最初の図は先手玉は2手スキ(次に詰めろがかかる形)ということが分かります。このような場合、先手が勝つには後手に詰めろをかける必要があります。
しかし最初の図から▲42と、としても、後手玉は詰めろにはなっていません。(次の▲32とに△13玉とかわせるため)
そこで、最初の図で▲38同金と手を戻す手をまず考えます。これによって、先手に2手スキが続かなくなれば、速度関係が逆転する可能性が出てきます。
しかし、▲38同金には△47歩成とされ、やはり2手スキに変わりはありません。
では最初の図は、先手が負けか?と思えますが、そうではなく、実は▲38同金ではなく▲42と、として先手が勝ちになるようです。実戦もそのように進みました。
つまり、最初の図の先手玉は2手スキでしたが、金が入ると一手延びるため、▲42と、と攻めあいながら、金を入手しておくのが正解だったということです。
実戦は、これを踏まえて後手が△28と、▲同金の後、いったん△42同銀と手を戻しましたが、▲42同馬以下、難解ながら先手勝ちの局面になりました。
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