今回は、先日行われた通常研の結果について書いていきます。(通常研の詳細については以前の記事をご覧いただければと思います)

1 北口  3〇 4〇 2〇 6〇  4-0

2(匿名) 5〇 6〇 1● 3〇  3-1

3 中深  1● 5● 4〇 2●  1-3

4 市川  6〇 1● 3● 5●  1-3

5 南出  2● 3〇 6〇 4〇  3-1

6 田中哲 4● 2● 5● 1●  0-4

このうち、私(北口)と田中哲くんとの将棋について、局後の感想戦やソフトでの解析結果の内容も含めて紹介いたします。(私が先手です)

上図は後手が4筋から動いてきたのに対し、先手がややおとなしく応対したところ。ここは後手の駒がよくさばけていて、先手を持っていた私としては、後手がやや指しやすいかと思っていました。

この局面で後手がどう指すかですが、感想戦で有力とされたのは△49角。角換わりなど相居飛車でよく見られる手筋ですが、さまざまな含みを持たせた手でここでは有力だったようです。また、ソフトで解析した結果△49角に並んで有力と示された手が△48歩。こちらはあまり見ない手ですが、先手の応接が難しかったようです。

本譜は、上図以下、△42金、▲24歩、△25飛、▲同飛、△同桂に▲46角と打って下図。

この△42金は、本譜のような飛車交換になったとき、△41歩の底歩を用意しておくような意味があり、中央に駒を寄せる意味でも筋の良さそうな手に見えます。実際解析結果でも3番手くらいの評価でした。ただ対局中は、先手の私としては図の▲46角に対して、次の▲74歩に対する受けが難しそうに見えたため、少し良くなったのではと感じていました。実戦はここから後手が△45歩の筋などで角を追いましたが、△41歩がなくなったなどのこともあり、徐々に先手が良くなりました。

しかし実際には、この局面は依然として後手が悪くなく、一例として△54歩として△55銀や△45歩を用意しておくような手で後手も十分だったようです。また他の候補手として、△27角という手も解析していて示されました。△27角は少し意味が分かりづらかったのですが、▲74歩にはいったん放置して△49飛くらいで、以下▲73歩成、△同銀、▲74歩のとき、△45角成がいったん王手になり、▲67金右くらいに対し、△46馬、▲同歩(ここで▲73歩成には△同馬で馬に逃げられる)△74銀で受かるという狙いです。△74銀以下▲44飛と両取りをかける手はあるものの、△43歩くらいで受けておけば、74の銀を取っても飛車の働きに差があり、後手が良さそうです。

この△27角という手は対局中は全く見えていませんでしたが、非常に柔らかい手に見え、解析していて勉強になったと感じました。

カテゴリー: 研究会

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